開発者とDBAとの協力関係も改善
事例:ステートフルアプリの速度を最大限に高めたデータベースDevOpsツール(2/2 ページ)
インフラの問題を抽象化するデータベースDevOpsツール
ステートフルアプリを含むDevOpsのプラクティスでは、アプリケーションを迅速に変更してもデータベースのスキーマと導入スクリプトが一貫した状態を保つことが重要になる。だが、そこには、インフラのプロビジョニングというもう1つの側面がある。
コンテナと、「Kubernetes」などのコンテナオーケストレーションツールによるステートフルアプリの管理は、いまだ初期段階にある。だが、Portworxの永続コンテナストレージツールやDelphixのデータ管理ツールは、その負担を和らげる役に立ちつつある。
2017年、GE Digitalは同社のプラットフォーム「Predix」を利用可能にすべく、運用環境にコンテナストレージ製品「Portworx」を配置した。その後、GE VenturesはPortworxに出資することになる。
「前もってDevOpsプロセスの大筋を決めていた。だが、VMやストレージのプロビジョニングについて最終的にGEのIT部門に問い合わせたところ、市場に投入するまでの時間を短縮したこれまでの過程を諦めることになるという」と話したのは、GE Venturesで管理ディレクターを務めるアビシェーク・シュクラ氏だ。同氏はさらに次のように続けた。「当社のDevOpsエンジニアリングチームには、IT部門内のスタッフへの問い合わせやインフラのテストなど、アプリケーション開発と平行してする必要のある全ての作業を担えるだけの時間もなかった」
Portworxでは、開発者が容量などのストレージの要件をコードで記述できる。その後、「Mesosphere」やKubernetesといったコンテナオーケストレーションツールによってインフラ層でのプロビジョニングを開始することができる。開発者は、サポートチケットを開始したり、ストレージ管理者を待機したり、物理インフラを理解する必要はない。Portworxは、複数のコンテナクラスタ間や仮想マシン(VM)とコンテナ間のデータ管理を仲裁して容易にすることができる。アプリケーションの変更や状態が損傷しても、後でクリーンアップする手間はかからない。Portworxはスナップショットを作成し、現実的なテストデータセット用にデータベースを素早く複製できる。
Portworxは、必ずしもベアメタルサーバほど高いパフォーマンスをデータベースにもたらすわけではないと指摘するのは、Portworxのパートナー企業ComputeStacksの共同創立者クリス・ワトソン氏だ。ComputeStacksは、サービスプロバイダーのクライアント向けに、Portworxのストレージを「Docker」ベースのコンテナオーケストレーションソフトウェアにパッケージ化する。
「ソフトウェア抽象化層によるパフォーマンスの悪影響は最小限に抑えられる可能性がある。だが、ベアメタルのパフォーマンスよりも重要なのは、迅速な反復や再作成可能なデータコピーだ」(ワトソン氏)
ホテル運営企業Choice Hotels Internationalは、2年以上前にDelphixのテストデータ管理ソフトウェアを展開した際、オーケストレーションからデータベースをテストするソフトウェアベースのプロセスを追加すると、アプリの開発速度が大幅に上がることに気付いた。
同社でITリーダーを務めるニック・スワイン氏は、次のように振り返る。「Delphixのソフトウェアを展開する前は、テストデータベースを最新状態に更新したことはなかった。Delphix導入初年度には、このデータベースを4回か5回最新状態に更新した。これにより、週末全部を費やさなくても数分でテスト環境を立ち上げることができるため、コード内のデータ関連のエラーを取り除き、テストを高速化することができた」
Choice Hotels Internationalは、「Amazon Web Services」(AWS)にある同社の主要予約システムを書き直すプロジェクトを優先しているため、開発チーム全体にはDelphixを導入していない。だが同社の開発者の大半は、必要に応じてセルフサービス方式のテストデータベースにアクセスできる。そのため、スワイン氏のチームはDelphixのテストデータベースを社内の「Jenkins」CI/CDパイプラインにリンクし、開発者がJenkinsのインタフェースからテストデータベースを自動で起動できるようにする予定だ。
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