企業のセキュリティ対策へのヒントは
IBMが「USBメモリ全面禁止」に踏み切った理由
IBMがリムーバブルストレージの使用を禁止し、従業員に社内ファイル共有システムの使用を促している。こうした禁止措置はセキュリティ強化につながるのか。
IBMは、USBメモリやSDカードといったリムーバブルストレージの使用を全社的に禁止し、従業員には社内のファイル共有システムの利用を促す。こうした措置は、企業のセキュリティ向上につながるのか。IBMのような企業がこうした措置を従業員に徹底させることは、どれくらい困難なのか。
企業はどんなルールや規定であれ、必要だと考えれば導入できる。ポリシーをどの程度徹底できるのか、あるいはどの程度の効果があるのかは問わない。
GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)プログラムを使って、どのポリシーを優先し、実行に移すべきかを判断している企業もある。こうした企業は、自社が直面しているリスクについて従業員に理解してもらう一助として、過去のインシデントのデータや業界の報告書を利用することもある。
会社のポリシーは、効果的な情報セキュリティプログラムの重要な一部だ。さまざまな法令や規制、契約を順守するために必要な場合もある。ポリシーの制定はリスク低減の一部にすぎず、ポリシーの範囲や例外を慎重に定義しなければならない。
IBMの決断の背景は
IBMは2018年に入り、リムーバブルストレージの使用禁止を発表し、会社のデータの移動には社内ツールを使うよう従業員に促した。同社は事前に限定的な環境で、このポリシーを導入していた。リムーバブルストレージはマルウェア感染などの攻撃に利用されることがあるからだ。
必要なコントロール技術を実装すれば、会社の全般的なセキュリティを向上させることができる。ただしOSのインストールやデータ復旧など正当な必要性がある用途のため、もしくは従業員に及ぼす影響を最低限に抑える一助とするために、効果的な例外プロセスを導入する必要がある。
ポリシーの徹底は、導入するコントロール技術の種類によっては難しいこともある。例えばIBMが使っている同社のエンドポイント管理製品「IBM BigFix」は、デバイスコントロール機能によってリムーバブルストレージを無効化できる。ただし、そのためにはエンドポイントに管理ソフトウェアをインストールする必要があり、全OSや全デバイスを管理対象にできない可能性がある。
IBMは、ネットワークアクセスコントロール(NAC)製品を使って、デバイスのLANへの接続を許可する前に、そのデバイス内で管理ソフトウェアが有効になっているかどうかを確認できるようにしている。こうした対策は総じて、必要なコストが増える。リスクの程度やそのリスクを管理するためのリソースを見極めた上で、コストが適切かどうかを判断しなければならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
“攻撃者優位”なサイバーセキュリティ、全ての「穴」をふさぐ方法とは? -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
製品資料
HubSpotの機能を拡張する法人データ活用法 -
製品資料
面倒で非生産的な「名寄せ」作業 高精度&高効率に実施するには? -
製品資料
名刺管理には「その先」がある 成果のでない営業活動から脱却する秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
2
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
5
レガシーコードを捨てJavaで勘定系を再定義 ソニー銀行、フルクラウド化の全容
-
6
マンガで解説:KSK2稼働で何が変わる? 税務調査の高度化に備えるデータ管理
-
7
生成AIの7割が「別画面・コピペ運用」 “導入”は進んでも定着せず
-
8
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
9
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
10
AIを導入したのになぜ忙しい? 業務を分断する「タスク型AI」の落とし穴
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
5
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
3分で分かる経理DX 富士通が約20%の業務効率化を実現した方法とは
-
10
ランサムウェア攻撃を“二重の防御構造”で防ぐ、クラウド型基幹システムの実力
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー