それぞれのメリットとデメリットを知る
Kubernetesを導入するなら無料版か、有料版か
Kubernetesはオープンソース版が利用できる一方で、ベンダーから提供される有料版も存在する。企業が導入するとしたら、メリットがあるのはどちらのバージョンだろう。
オープンソースソフトウェア(OSS)にはコストにまつわる疑問が生まれることもしばしばある。OSSの導入機会が多く、他の製品と連携されている場合は特にそうだ。
Kubernetesはオープンソースのコンテナオーケストレーションツールで、ベンダーに対して中立的な立場にある業界団体Cloud Native Computing Foundationが管理している。例えば「Docker」は実際にコンテナを構築して動作させるツールであるのに対し、Kubernetesはコンテナの導入、スケーリング、管理を自動化する。
Kubernetesは無料なのか
答えはイエスでもあり、ノーでもある。
オリジナルのオープンソース版Kubernetesは無料だ。GitHubのKubernetesリポジトリから入手できる。管理者は手動でリリースをビルドし、ローカルあるいはパブリッククラウドに導入しなければならない。導入先となるパブリッククラウドには、「Amazon Web Services」(AWS)、「Google Cloud Platform」(GCP)、「Microsoft Azure」などがある。
純粋なKubernetesディストリビューションのダウンロードは無料だ。しかしオープンソースソフトウェアには常にコストがつきまとう。専門家によるサポートが受けられないため、Kubernetesを導入する企業は、サポート担当の社員を雇うか豊富な知識を備えた人材と契約する必要がある。Kubernetes管理者には、Linux環境でのKubernetesのビルドと導入に関する詳細かつ実用的な知識が求められる。
実際のところ、OSSを導入する企業は、事前にそのソフトウェアについて理解している必要がある。
有料版Kubernetesの豊富な機能
Kubernetesは自社での構築が必要なバージョンだけではない。他にも入手先は数多く存在するが、無料とは限らない。ほとんどの場合、Kubernetesはホスティング型クラウドサービスに統合されている。コンテナがクラウドでのアプリケーション導入にとても適しているためだ。
例えばKubernetesはRed Hatの「Red Hat OpenShift」に統合されている。OpenShiftは、レジストリやネットワークなどを含むデフォルトのセットアップでビルドされたコンテナアプリケーションプラットフォームだ。コンテナ運用の面倒な操作を省くことができるサービスも用意されている。「Red Hat OpenShift Dedicated」はOpenShiftの高可用性バージョンを仮想プライベートクラウドとして利用でき、料金は年間4万8000ドルからとなっている。「Red Hat OpenShift Online」はPlatform as a Service(PaaS)として提供され、最大10個のプロジェクトを運用できる。月額50ドルから利用可能だ。
有料版Kubernetesで使えるオプションは豊富にある。VMwareの「Pivotal Container Service」は、コンテナのプロビジョニングや管理機能を通じてKubernetesを利用できる。クラウドツールベンダーのPlatform9は、パブリッククラウドとローカルのオンプレミスサーバによるハイブリッドクラウドとしてKubernetesを提供する。IBMの「Cloud Kubernetes Service」は、同社の人工知能「Watson」やIoT、ビッグデータプロジェクトなどのIBMサービス向けに導入されることが多いコンテナ環境で、クラスタ管理、コンテナのセキュリティ、分離機能を実現している。
ベンダーのサポートを受けなくてもパブリッククラウドにKubernetesを導入することは可能だ。だが多くのパブリッククラウドベンダーは、Kubernetesをパブリッククラウドサービスとして提供することでユーザーの作業を肩代わりしている。例えばMicrosoftの「Azure Kubernetes Service」(AKS)、Googleの「Google Kubernetes Engine」(GKE)、AWSの「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes」(Amazon EKS)はいずれもマネージドKubernetesだ。AzureあるいはGCPユーザーは、クラウドアプリケーションの開発に使用したサービスにのみ料金を支払う。具体的にはコンピューティング、ストレージ、監視などが含まれる。Amazon EKSではクラスタごとに1時間当たり0.20ドル(2018年8月現在)が課金されるのに加えて、コンピューティング、ストレージ、監視など、AWSで使用したサービスのコストもかかる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー