小中学校の授業向けIT製品徹底ガイド【第3回】
タブレット、ノートPC、2-in-1――児童生徒用コンピュータは何を選ぶべきか?(1/2 ページ)
児童生徒のIT活用を進めるために必須のIT製品といえるのが、「学習者用コンピュータ」「充電保管庫」といった「学習者用ハードウェア」だ。まずは学習者用コンピュータについて、タイプ別に詳しく見ていこう。
第2回「IT活用授業の基本中の基本 『大型提示装置』『実物投影機』とは?」では、電子黒板をはじめとする「大型提示装置」、書画カメラとも呼ばれる「実物投影機」といった「指導者用ハードウェア」について解説した。指導者用ハードウェアの整備が済んだら、次に整備を進めるべきなのが「学習者用ハードウェア」だ。
特に整備すべき学習者用ハードウェアとして「学習者用コンピュータ」と「充電保管庫」が挙げられる。学習者用コンピュータは、児童生徒が活用するために整備するPCやタブレットのことを指す。充電保管庫は、その名の通り学習者用コンピュータを充電できる保管庫であり、一般的には複数台の学習者用コンピュータをまとめて充電・保管できる。第3回ではまず、学習者用コンピュータのタイプ別メリット、デメリットと、その選定ポイントを紹介する。
文部科学省の「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針について」(以下、整備方針)では、学習者用コンピュータについて「3クラスに1クラス分程度の配備」をすべきだと求めている。授業展開に応じて必要なときに「1人1台環境」を実現できるようにするためだ。
学習者用コンピュータの機能や要素について、整備方針は複数の条件を提示している(表1)。
| 機能/要素 | 条件 |
|---|---|
| CPUやメモリなど | ・ワープロソフトや表計算ソフト、プレゼンテーションソフトなど、教科横断的に活用できる学習用ツールが安定して動作するスペック ・短時間で起動するスペック |
| ディスプレイ | デジタル教科書やデジタル教材といったデジタルコンテンツが見やすく、文字が識別しやすいサイズ |
| 無線LAN | 安定した高速接続が可能 |
| キーボード | ハードウェア型(特に小学校中学年以上) |
| カメラ | 搭載することを推奨 |
学習者用ハードウェアの整備で成立するIT活用
学習者用ハードウェアを整備することで、児童生徒が直接コンピュータに触れる環境を実現できる。これにより、例えば以下のようなことが可能となる。
- インターネット検索による情報の収集
- カメラによる写真撮影
- 表計算ソフトによる情報の整理・分析
- ワープロソフトやプレゼンテーションソフトによる学習内容のまとめ・表現
- ドリルなどのデジタル教材による繰り返し学習
児童生徒の主体的なIT活用を可能にする上で、学習者用ハードウェアの整備は大いに役立つ。授業支援ツールがあることで、教員と児童生徒間の画面共有やファイルのやりとりなど、さまざまなことが可能になる。
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「学習者用コンピュータ」のタイプ別メリット、デメリット
学習者用コンピュータは、ハードウェアタイプとOS、通信タイプによって分類できる(図)。
- ハードウェアタイプ
- ノートPC
- キーボードとディスプレイが一体となっており、ディスプレイはタッチパネルではないことが一般的
- タブレット
- タッチパネル機能があり、キーボードが外付け
- 2-in-1
- ディスプレイとキーボード部分が着脱可能
- ノートPC
- OS
- Windows
- iOS
- macOS
- Android
- Chrome OS
- 通信タイプ
- Wi-Fiモデル
- 無線LANによる通信が可能で、LTE回線などのモバイルネットワーク通信機能は非搭載
- セルラーモデル
- 無線LANに加えて、LTE回線などのモバイルネットワーク通信機能を搭載
- Wi-Fiモデル
学習用ハードウェアは、ハードウェアタイプ、OS、通信タイプによってメリットとデメリットがある。詳しく見ていこう。
ハードウェアタイプの違いによるメリット、デメリット
ノートPCはディスプレイとキーボードが一体となっており、比較的管理が容易だ。タブレットはノートPCと比べて総じて軽く、持ち運びに適している。2-in-1は、名前の通り両方のメリットを享受可能だ(表2)。
| ハードウェアタイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ノートPC | ・ディスプレイとキーボードが一体となっており、管理が比較的容易 | ・比較的重量があり、持ち運びが不便 ・一般的にはディスプレイはタッチパネルではなく、タブレット的な利用が困難 |
| タブレット | ・比較的軽量で、持ち運びが容易 ・タブレット向けに設計されたOSを搭載していれば、タップやスワイプなどによる直感的な操作が可能 |
・CPUやメモリなどのスペックが高くない場合、学習用ツールの活用が困難 ・タブレット整備時に、キーボードの整備も必要 |
| 2-in-1 | ・ノートPCとタブレットそれぞれのメリットを享受可能 | ・構造が複雑になりやすく、ディスプレイとキーボードの接続部分の壊れやすさに注意が必要 ・キーボードと組み合わせると比較的重量があり、持ち運びが不便 |
OSの違いによるメリット、デメリット
OSはハードウェアタイプと密接な関係性を持つ。選定に当たっては、利用可能なデジタルコンテンツや選択可能な機種、操作性まで、さまざまな面を複合的に検討する必要がある(表3)。
| OS | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| Windows | ・さまざまなソフトウェアが発売されており、多様な用途で活用可能 | ・多機能な分、導入や操作が比較的複雑になりがち |
| iOS | ・スマートフォンのOSとして広く利用されており、タブレットでの操作方法の習得が比較的容易 | ・タブレットの機種は「iPad」に限定 ・原則として「App Store」(公式ストア)にあるアプリケーションのみ利用可能 |
| Android | ・スマートフォンのOSとして広く利用されており、タブレットでの操作方法の習得が比較的容易 | ・利用可能なデジタルコンテンツが限定的 |
| macOS | ・Apple製品間でのデータのやりとりが容易 | ・機種はMacに限定 |
| Chrome OS | ・Webアプリケーションの他、Android用アプリケーションも利用可能 | ・機種は「Chromebook」(ノート型)または「Chromebox」(デスクトップ型)に限定(ベンダーの選択は可能) |
通信タイプの違いによるメリット、デメリット
通信タイプ選定の際には、校内の通信環境の整備計画と併せて検討する必要がある(表4)。
| 通信タイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| Wi-Fiモデル | ・比較的安価に整備が可能 | ・無線LAN環境の整備が別途必要 |
| セルラーモデル | ・無線LAN環境整備が不要で、複数人同時アクセス時も通信スピードの維持が容易 | ・通信事業者のアンテナ設置位置によっては、十分な速度を得ることが困難 ・選定可能な機種が限定的 |
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小中学校の授業向けIT製品徹底ガイド
教育機関に役立つIT製品には、どのようなものがあるのか。本連載では急速にIT化が進む小中学校の授業でのIT活用に焦点を絞り、幾つかのカテゴリーに分けて、授業に役立つ主要なIT製品分野を紹介し、各IT製品分野の選定ポイントをまとめる。
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