クリプトマイナー(仮想通貨採掘ソフト)が激増
医療現場はモバイルセキュリティを優先すべき、これだけの理由
医療現場でのモバイルデバイスの利用が広がり利便性が向上しているが、一方でサイバー犯罪者が攻撃に悪用できる対象が増えるというデメリットも出てきた。そのため、医療ITではこうしたエンドポイント保護が急務になっている。
昨今の医療現場では、スマートフォンなどのモバイルデバイスが普通に使われている。その用途の大半は個人的なものだが、病院や患者のデータへのアクセスにモバイルデバイスが使われるケースも着実に増えている。そのため、病院のIT部門はセキュリティの実践方法を刷新し、この新たな領域を保護する必要性を強く感じている。だが、医療現場でモバイルセキュリティの優先度が高まると同時に、ハッカーなどのサイバー犯罪者もモバイルデバイスを侵害する攻撃や試みを加速させている。
併せて読みたいお薦め記事
医療現場における、セキュリティと利便性のトレードオフ
医療現場のセキュリティは今
増加するモバイルデバイスへの攻撃
患者のケアなど医療行為に関する情報に即座にアクセスしたいというニーズが、モバイルデバイスの導入や利用の増加を促している。こうしたニーズに応えるため、電子医療記録(EHR)システムは患者の医療情報にアクセスする方法としてモバイルアプリを選択可能にした。
ただし、モバイルデバイスから病院の情報へのアクセスが増加すると、データ侵害のリスクが高まる。医療施設のデスクトップやその他のデバイスと同じようにモバイルデバイスが保護されているわけではないためだ。サイバー犯罪者は、医療現場で使われるモバイルデバイスのセキュリティに限界があることに乗じて、悪用可能な新しい脆弱(ぜいじゃく)性を探す。実際、マルウェア対策ソフトウェアベンダーのMalwarebytesが公開した最近の統計では、近年モバイルデバイスを標的とした攻撃が着実に増加していることが明らかになっている。同社は、2018年第1四半期の終わりに「Android」でクリプトマイナー(仮想通貨採掘ソフト)の検出が激増したことを発見した。
現状、医療現場のモバイルデバイスのセキュリティに対する脅威の多くは、引き続きクリプトマイナーが占める。クリプトマイナーは、犯罪者がモバイルユーザーを標的とする脅威の最新トレンドと考えられている。クリプトマイナーは、被害者の無防備なモバイルデバイスを仮想通貨の採掘(マイニング)に利用する。この攻撃を受けたデバイスは、プロセッサとメモリの使用率が増加し、動作が遅く不安定になる。もう1つがフィッシングだ。ユーザーがモバイルデバイスで添付ファイルを開くと、マルウェアの一種である「トロイの木馬」がデバイスに読み込まれ、サイバー犯罪者がそのデバイスを乗っ取り、機密性の高い個人情報や資格情報などのデータを盗み出す。
デバイスをロックダウンできる高度なセキュリティツール
モバイルユーザーを標的とする攻撃への関心の高まりにより、IT部門は高度なセキュリティツールの検討を迫られている。必要なのは、こうしたモバイルデバイスへの新しい種類のサイバー攻撃に対する保護を追加するツールだ。これまで、病院のIT部門はモバイルデバイス管理を利用してデバイスを管理/ロックダウンし、医療データを保護していた。だが、モバイルデバイスを攻撃するトロイの木馬、マルウェア、スパイウェア、ウイルス、身代金要求型マルウェア(ランサムウェア)への対策としては不十分だ。
病院は、医療現場に存在するモバイルデバイスセキュリティのギャップに対処するため、モバイルデバイスに追加の保護層を加える新たなセキュリティツールを導入している。このような新しいツールは、ワークステーションやサーバのウイルス対策、Webフィルタリング、スパイウェア対策、マルウェア対策と同様に機能する。Avira Antivirus、Avast Software、AVG Technologies、Bitdefender、Malwarebytes、Kasperskyなどが提供するモバイルデバイス用サイバーセキュリティツールが市場での人気を集めている。
GoogleやAppleなどのベンダーは、自社のアプリストアに掲載するアプリケーションをスクリーニングし、セキュリティパッチを適用してソフトウェアを定期的にアップデートしている。だから「モバイルデバイスの脆弱性はPCと変わらない」と言われても信じ難いだろう。残念ながら、モバイルデバイスの新たな脆弱性を見つけ出し、ベンダーの厳しいテストをかいくぐり、悪意のあるアプリケーションを公開するサイバー犯罪者はいる。病院のIT部門は、医療現場のモバイルセキュリティに対して適切な戦略を採用し、従業員や病院が所有するモバイルデバイスの保護を考慮しなければならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー