Google StackdriverやAWS CodeDeployはどう役に立つのか
DevOpsを実現する4つのAと最新サービス管理ツール
クラウド時代のITサービス提供プロセスでは、DevOpsという言葉が頻繁に使われる。DevOpsを実践し、最新の要件に合わせたサービス管理に必要な「4つのA」とツールとは
ITプロフェッショナルの間ではDevOpsという用語が頻繁に使われる。この用語は、アジャイルなアプリケーションと仮想インフラが主流になった時代の、運用上の問題を全て解決する魔法の言葉のように使われている。開発者とIT部門を1つにまとめてコードと自動化のツールを幾つか追加すれば、IT部門がクラウドネイティブなスタートアップ企業と変わらない効率で運用できるようになるという論旨だ。
この理想的な考え方を現実にしようとすると、大きな壁にぶつかる。社内のサイロや部門横断型の協業文化を払拭する他にも、最新サービス管理に向けてやるべきことがたくさんある。
自律型のプロジェクトチームをサポートし、プロセスや構成を標準化することは賢明な方法だ。それは以下に示すポイントを具体的な活動に当てはめなければ意味がない。最新のシステム管理には、以下の多岐にわたるポイントを具体的な活動につなげることが必要だ
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DevOps成功の鍵を握るツール
DevOps推進の立ちふさがる壁とは
最新サービス管理には、クラウド時代におけるITサービス提供プロセスに欠かせない次の要素が含まれている。
- ビジネス要件の変化への迅速な対応
- オンプレミスのデータセンターとサードパーティーのクラウドサービス(IaaSとSaaSの両方)との橋渡しをするハイブリッドIT環境の調整
- インフラ(サーバ、ストレージ、ネットワーク)、アプリケーション、アセットなど、複数のリソースの組み込み
- IT運用、ヘルプデスク、セキュリティなど、複数のサブプロセスの関与
アジャイルな自動管理プロセスは、インフラとアプリケーションとの間に強い依存関係を生み出す。これに対処するのが、DevOpsのプラクティスだ。
現代のシステム管理の原則とは
クラウドによってITリソースや一部の管理機能を標準化したり、自動化したりすることで、従来のIT構造は事業部門に分散する。そのためIT部門は、イノベーション、アジリティー、コスト管理に専念できる。ただしそれは事業部門のマネジャーや個別の開発者がIT管理者に通知しなくても、サービスを調達できることが前提になる。Microsoftの「Microsoft Azure」のホワイトペーパーで説明されているように、最新サービス管理は、可能な限り介入を少なくすること、修復することよりも障害に対処することを目指して設計すること、顧客価値を高めることの3つを主要原則とする。
手動の設定作業を最小限に抑えるゼロタッチ自動化が適しているのは、コード化して系統的に実行でき、標準構成を使用するルーティンワークだ。
仮想サービスの導入と再構成は容易だ。しかし原因がソフトウェアのバグにせよハードウェアの問題にせよ、システム障害は避けられない。この2つの前提から、最新のシステムには冗長性が不可欠になる。冗長性を確保するためのリソースの再配置と拡張には、ゼロタッチ自動化技術を組み合わせる。そうすることで、手動のシステム設定作業を最小限に抑えながら、ダウンタイムを生じることなく、確実かつ迅速に完了することができる。
IT部門は、新しいサービスやアプリケーションの要求を迅速に解決し、ビジネスの価値を損なわないようしなければならない。そのためには、可能な限り時間や場所を問わないセルフサービス方式を実現する必要がある。
最新サービス管理の4つの「A」
サービス管理の原則は幅広いが、IT部門が取り組むべき4つの具体的な手順に要約される。それは「自動化(Automation)」「データの蓄積と集約(Accumulated and aggregated data)」「分析(Analytics)」「人工知能(AI)」だ。
自動化
ソースリポジトリやバージョン管理システムなど、コードやソフトウェア開発の形式全体を通してルーティンワークを全て自動化する。
データの蓄積と集約
システムテレメトリー、ログファイル、監視プローブ、構成ファイル、パフォーマンスモニターから得たデータを蓄積して集約する。チームはIT運用の厳格なデータ分析から、相関関係を引き出し、パターンや例外を特定して、予測を立てることができる。
分析
ソフトウェアツールによる分析を利用して、IT運用から蓄積したデータをフィルタリングして相関関係を導くことができる。統計分析や適応分析により、自己最適化技法によってIT運用を最適化するための値を求める。
人工知能
AIは、従来の分析手法を基に構築する。従来の手法に機械学習と深層学習を加えることで、継続的に新しい条件を適用しながら、隠されたパターンを見つけられる。データのノイズを取り除き、例外にフラグを付けることもできる。
これら4つの原則の組み合わせが、ソフトウェア管理サイクルの基盤になる。このサイクルを、反復可能なコードや継続的に改善されるアルゴリズムを通じて構築/運用する。サイクルを回していくにつれ、より細かいデータを収集できるようになり、そうして得たデータがさらに高度な管理ソフトウェアの導入に役立つ。
概念から実行まで
最新のサービス管理の中核となる原則は自動化だ。自動化には「理解していないものは自動化できない」という大きな前提がある。全てを自動化した、サービス中心のIT部門になるための第一歩は、現状の作業を評価し、最終目的を定義して、自動化フレームワークを設計することだ。このフレームワークの全体を通したツールチェーンの中には、ITシステムの運用と、可能であれば開発プロセスを組み込む。
ここでAmazon Web Services(AWS)、Microsoft「Azure」、Google、Facebookなど、大規模クラウドベンダーやオンラインサービスを例として見てみよう。こうしたビジネスは、ベンダー独自の分散型システムと自動化を組み合わせなければ、世界規模で実現することはできない。
上記の企業が提供する自動化サービスの1つが、GoogleのAPIだ。このAPIは、GoogleをWebサービスの大手に引き上げた。クラウドサービスであろうと、ローカル仮想インフラであろうと、キー入力やマウスクリックがAPIによってプログラムの実行に置き換えられる。Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)は、C#やJavaのような低レベルの汎用言語から、PythonやGoなどのスクリプト言語まで、7種類の言語向けにAPIライブラリを提供している。
最新サービス管理向けツール
クラウドビルダーほどのスケールや技術リソースを保有している企業はほとんどない。ただし、従来の企業のIT部門は、クラウド時代のビジネス向けに開発され、前述の4つの「A」の要素を組み込むソフトウェアを利用できる。以下の例は全てを網羅したリストには程遠いが、IT部門にインテリジェンスと自動化を追加する際のポイントを示している。
Googleの「Google Stackdriver」は、AWSやGCP向けの洗練されたクラウド監視パッケージだ。このパッケージは、ログ、メトリクス、トレース、アプリケーション固有の管理基準をプラットフォーム間で統合し、グラフィックによる可視化を使用して問題点を特定し、解決策を提示する。
Splunkの同名サービスは、代表的なエンタープライズログ分析ソフトウェアで、複数のローカル環境やクラウド環境から得たデータを統合する。このソフトウェアは、リソースやパフォーマンスの計測により、異常やセキュリティの脅威を特定する機械学習モジュールを提供する。
AWSの「AWS CodeBuild」や「AWS CodeDeploy」などの開発者サービスは、コードリポジトリからシステムの統合作業、テスト、実導入に至るまでのクラウド開発パイプライン全体を自動化する一連のDevOpsツールだ。
HashiCorpの「Terraform」は洗練されたIaC(Infrastructure as Code)プラットフォームだ。IT部門はこのプラットフォームを使用することで、インフラの導入と構成に必要なコードの定義、リソース依存関係のマッピング、共有可能なインフラのモデルやテンプレートの作成、インフラの導入と更新の自動化などが可能になる。
オープンソースの「Jenkins」は、アプリケーションをビルド、テスト、導入するプロセスを自動化するCI/CDパイプラインツールだ。このツールは、完全に自動化されたアプリケーションやインフラパイプライン向けに、Terraformや同様のツールのアプリケーション側として動作する。
Balbixの同名サービスはセキュリティ管理スタックで、データセンター内の全てのデバイスに対してデータのスキャン、インベントリ、収集を行う。このスタックは、集約されたデータとAI主導のさまざまなモデルを使用して、さまざまなカテゴリーのデバイスのリスクプロファイルの作成、データ侵害や攻撃ベクトルの予測、漏えいを最小限に抑えるための修正手順の提供を行う。
スタートアップ企業のYotaScaleは、回帰分析とさまざまな機械学習モデルに基づいて、AWSのさまざまなリソースの適切なサイズを判断する。また、需要の変化に応じて構成を更新する。
最新サービス管理は、構成スプレッドシートとPerlスクリプトの時代から、数多くのツールをホストする状態へと進化している。そのようなツールには、構成や使用量データを徹底的に収集するツール、コード開発やインフラ導入プロセスを自動化するツール、傾向、例外、潜在的リスクをAIの支援を受けて分析するツールなどがある。ほとんどの企業にとって、完全に自動化されたデータセンターやクラウド環境はいまだ夢物語だ。だがそれを現実にするためのピースは用意されている。
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