高機能な製品は、現場のトレーニングで苦労する場合も
クラウドERP 10製品を徹底比較 辛口ユーザーが語るメリットとデメリット(2/3 ページ)
Microsoft Dynamics 365 for Finance and Operations(Enterprise Edition)
Microsoftの「Microsoft Dynamics 365 for Finance and Operations」(以下、D365 FO)の「Enterprise Edition」は1つのアプリケーション内に企業向けERP機能を備えている。D365 FOは、財務、在庫、発注、受注、サプライチェーン、生産、流通のプロセスを1つのアプリケーション内で結び付ける。同製品は、クラウドまたはオンプレミスのどちらかに導入できる。
D365 FOを利用することで、効率的に運用するための洞察と可視性を獲得できる。それにより顧客体験を改善し、ビジネスの成長を促す。実装や導入が容易になるよう設計されており、既存のシステムとも連携できる。
機能には次のようなものがある。
- 財務:金融取引の記録、内部原価計算や通貨換算の管理、サポート対象の通貨に関するレポートの管理、系列会社とその親会社間での関係管理を実行できるようにする。
- 製造:プロジェクト管理、生産計画、工程/活動スケジュール、コスト管理を最適化するのに役立つ。
- サプライチェーン管理:高度な倉庫管理と在庫管理を提供することで、可視性、フルフィルメント、製品に対する洞察、材料調達、統合ロジスティクスを最適化する。販売プロセスと購買プロセスをロジスティクス管理、生産管理、倉庫管理と結び付けることでサプライチェーン全体を可視化し、管理できるようにする。
- モバイル:従業員はモバイルアプリを使用していつでもどこからでも任意のデバイスで作業できる。それにより顧客満足度が上がり、生産性が向上して、事業収益性が高まる。
D365 FOでは、顧客がMicrosoftやそのパートナーのアドオンアプリケーションを連携させることでビジネスプロセスを強化できる。インタフェースは直感的で使いやすく、ユーザーによるカスタマイズもできる。
「D365 FOは、時折実行が低速になることがある」という顧客企業の意見もある。システムアップグレードが速度低下の原因になる場合がある。こうした点がこのシステムを使いづらくしているという見解もあるようだ。
NetSuite ERP
Oracleの「NetSuite ERP」はクラウドベースの統合型アプリケーションスイートだ。財務、生産、受注、倉庫、調達、フルフィルメント、人事を管理できるようになる。拡張性に優れたこのシステムには、ビジネスプロセスの効率を向上させるために設計された7つの統合型モジュールが搭載されている。NetSuite ERPは中堅企業や大手企業向けに調整されている。
NetSuite ERPの機能には次のようなものがある。
- 財務管理:ユーザーが現在の財務データにリアルタイムでアクセスできるようにする。会計管理とコンプライアンス管理との間の直接的なつながりも表示可能だ。ユーザーは迅速な決算、正確なレポート、リアルタイムデータを利用できる。
- 財務計画:サイクル時間の短縮、財務の俊敏性向上、コラボレーションの強化、適切な情報に基づくより戦略性の高い意思決定を実現する。
- 受注管理:時間通りの納品、配送コストの削減、キャッシュフローの改善、CRMとの統合を可能にする。
- 生産管理:製造作業を効率的に実行し、期限内に納品できるようにする。これには販売注文や作業命令の処理、ルーティング、スケジュール設定、受注処理、製品原価計算などが含まれる。
- サプライチェーン管理:リアルタイムの可視性を実現し、サービスレベルを向上させて、コストを削減する。
- 倉庫管理/受注処理管理:在庫のリアルタイム更新、グローバルビジネスのサポート、ウエーブ管理、配送システムとの統合などが含まれる。
- プロキュアメント:ユーザーが調達から支払いまでを効率化し、コストの正確性を実現して、品質を改善できるようにする。
NetSuiteのERPモジュールは、在庫、受注管理、CRM、電子商取引など、企業の他のアプリケーションと連携できる。それにより決算を円滑化し、コンプライアンスを保証して、データのリアルタイム分析が可能になる。顧客企業の中には、サードパーティープラットフォームとの連携時の不具合によってダウンタイムが発生したという話もあるようだ。
Oracle ERP Cloud
Oracleの「Oracle ERP Cloud」は、接続型SaaSアプリケーションスイートで、基本的なビジネス機能を管理する。財務管理、プロジェクトポートフォリオ管理、調達、リスク管理、統合業績管理などがその例だ。
Oracle ERP Cloudは、ビジネスを運用する上で欠かせない機能性、セキュリティ、レポート機能、分析、モバイル機能、ソーシャルコラボレーションツールを提供する。ただ、一部には「レポート機能はさほど優れていない」という顧客企業の声もある。ユーザーインタフェースがユーザーにとって使いやすくなっておらず、直感的でないという声もある。
このツールはあらゆる業界のあらゆる規模の企業で使用できる。そのシステムは「Oracle Enterprise Cloud」アプリケーション全てとネイティブに接続される。これには人事向けの「Oracle Human Capital Management」や、サプライチェーン全体での企業のコスト管理を支援する「Oracle Supply Chain Management」も含まれる。
Oracle ERP Cloudで管理される基本的なビジネス分野には以下がある。
- 会計
- 財務計画と財務分析
- 財務決算
- 収益認識
- リスク管理
- コンプライアンスとガバナンス
- 調達
- プロジェクト計画と実行
- 在庫とサプライヤーチェーン
- 製品ライフサイクル
Oracle ERP Cloudは、企業規模が拡大したり新市場に参入したりすることでユーザーや取引数、訪問先が増えても対処できるようにシステムを拡張できる。そのため、急成長している企業にとって最適なクラウドERPソフトウェアになる可能性がある。Oracleは定期的にOracle ERP Cloudをアップデートして新機能を追加している。
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