オンプレミスよりも信頼性が高いのはなぜか
Amazon、Google、IBM 各ベンダーの「クラウドベースIAM」を比較する
Amazon、Google、IBMは、それぞれクラウドサブスクリプションの一部として、IDおよびアクセス管理(IAM)サービスを提供している。企業はこうしたサービスの利用を開始する前に、それらを慎重に評価する必要がある。
Amazon、Google、IBMはいずれも、クラウド利用者に追加料金なしでIDおよびアクセス管理(IAM)ツールを提供している。IT担当者は、これらクラウド大手3社から提供されるIAMサービスの機能、メリット、デメリットを把握しておくべきだ。
クラウドベースIAMの長所
大手クラウドベンダーのIAMサービスは、一般的に各社のクラウドプラットフォームのサービスにあらかじめ統合されている。そのため、IT部門はクラウド環境全体にわたってIAM制御を容易に実装、管理できる。
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導入が決まったら次は何をする?
各社の大規模なクラウドインフラの一部であるため、オンプレミス製品よりも高度な信頼性とスケーラビリティを提供できる。多くの場合、各社のクラウドプラットフォームはセキュリティのレベルも高い。クラウドベンダーは、顧客データの保護に多大なリソースを投入できるからだ。ただし、大規模なクラウドプラットフォームは、サイバー犯罪者の大きなターゲットになっている場合もある。そのため、クラウドベンダーはリソースの保護に精力的に取り組んでいる。
一般的に、クラウドサービスはオンプレミス製品より柔軟性や適応性が高い。クラウドベンダーは簡単かつ迅速に、パッチや更新プログラムの適用、セキュリティ脅威への対処、新機能や強化機能の実装ができる。クラウドベースのIAMは、IT担当者を日常的な管理作業から解放し、優先度の高い仕事に集中できるようにする。
クラウドベースIAMの短所
大手クラウドベンダーは、IAMサービスを自社のプラットフォームに合わせて設計し、最適化している。このことは、全てのオペレーションを特定のクラウドベンダーのプラットフォームで実行している企業にとっては好都合かもしれない。だが、多くのITチームは、オンプレミスやマルチクラウド、ハイブリッド環境、分散データストア、レガシーシステムなど複数の環境でシステムを管理している。こうした状況では、IT部門はさまざまなIAMサービスをバランスよく使うか、あるいは複数の環境をサポートする単一の製品を見つける必要がある。こうした製品の例として、セキュリティベンダーのPing IdentityやRSAが提供するツールがある。
例えば「RSA SecurID Suite」のIAMサービスは、レガシーツールやカスタムツールを含むクラウドとオンプレミスの両方のアプリケーションを保護できる。脅威インテリジェンスやビジネスコンテキストのような技術も統合している。既にこうした製品を使っている企業は、複数のIAMツールを管理するよりも、それらの製品をクラウドプラットフォームに拡張したいと考えるだろう。包括的なIAM製品は、個々のクラウド環境の境界を越えて展開できるからだ。
また、多くの企業が、IAM機能を備えているか、または他のIAMツールと連携するユーザー環境管理(UEM)、エンタープライズモビリティ管理(EMM)、モバイルデバイス管理(MDM)のいずれかのツールを実装済みだ。そのような既存の仕組みがある中でクラウドベースIAMの導入難易度は高くなるだろう。
大手クラウドプロバイダーのIAM
Amazon
Amazon.com傘下のAmazon Web Services(AWS)が提供する無料ツール「AWS Identity and Access Management」ではデータウェアハウスの「Amazon Redshift」、NoSQLデータベースの「Amazon DynamoDB」、仮想サーバを構築できる「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)、ストレージの「Amazon Simple Storage Service」(S3)といったAmazonサービスへのアクセスを制御できる。管理者は、ユーザーとグループに特定のアクセス権を割り当て、誰がどのリソースに、どのようなアクセスレベルでアクセスできるかを制御できる。AWSは、IAMサービスを操作するためのさまざまなツールを提供しており、その中には「コマンドラインユーティリティー」「AWSマネジメントコンソール」「AWSソフトウェア開発キット」(SDK)などが含まれる。
AWSのIAMサービスは、多要素認証やIDフェデレーションといった機能をサポートし、可用性の高いインフラに支えられている。多くのAmazonサービスにあらかじめ統合されており、クレジットカード情報の取り扱い基準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)に準拠している。
Googleは「Google Cloud Platform」のサブスクリプションの一部として、無料のIAMサービス「Cloud Identity & Access Management」(Cloud IAM)を提供している。管理者はCloud IAMにより、特定のリソースに対する特定のアクションをユーザーに許可できる。またCloud IAMは、IT部門がリソース権限を直接的および間接的に制御するためのさまざまなオプションも用意している。さらに完全な監査証跡を自動的に取得する。
コンテキスト認識アクセス制御が可能な無料サービス「Cloud Identity-Aware Proxy(Cloud IAP)」もGoogleは導入している。IT部門はこのサービスを使うことで、ユーザーのIDとリクエストのコンテキストを基に、リソースへのきめ細かなアクセス制御を実現できる。リモートアクセスVPNゲートウェイが不要になるほどだ。例えば管理者は「WebアプリケーションにWindowsデバイスからのみアクセス可能」といった制御をかけることができる。
IBM
IBMは「IBM Cloud Identity and Access Management」(IBM Cloud IAM)を提供している。IBM Cloud IAMは「IBM Cloud」全体で一元化されたユーザー管理を実現するため、IBM Cloudプラットフォームの全リソースへのアクセスを一貫して制御できる。管理者はユーザーを追加、削除したり、ユーザーをグループ化して、アクセス権限の割り当てを簡素化したりできる。
IBMのクラウドベースIAMサービスには、「IBM Security Access Manager」や「IBM Security Identity Governance & Intelligence」(Security IGI)も含まれる。Security Access Managerは、Webおよびモバイル用のアクセスポリシーをプロアクティブに実施する。Security IGIは、ユーザーアクセスを分析、定義、認証するための一連のツールを提供する。
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