デバイスの操作性を損ねないようにするには
「統合エンドポイント管理」(UEM)で利便性とセキュリティを両立させるコツ
ユーザーにとってのエンドポイントの操作性に重点を置いて熟考されたUEM戦略は、クロスプラットフォームの機能やシステムへのアクセスを容易にするだけでなく、IT担当者の生産性も向上させてくれる可能性がある。
業務にコンピュータを使用することが特権だと考えられていた時代があった。当時のコンピュータは基本機能しか備えておらず、大きなタワー型ケースに収納されていた。伝統的なスタイルのDOSやWindowsのプログラムを実行するために武骨なモニターを接続していた。ユーザーは与えられた環境を最大限に活用していた。その際には、小学校の教員に教わったことを思い出していたかもしれない。「やれることをやるしかない、カッとなるな」という教えを。
コンピュータは、ビジネスや社会のあらゆる側面で利用されるようになった。そのためコンピュータに対するユーザーの期待値は高くなっている。若年層のユーザーでさえ、使用するデスクトップPC、ノートPC、モバイルデバイスには最新かつ高性能のハードウェアが搭載されていることを期待する。そして時間と場所を問わず高速なインターネットを利用できる状態で、必要なソフトウェアが実行でき、ソフトウェアがディスプレイに表示されるものだと思っている。
IT管理者は、全てのエンドポイントのセキュリティを確保して管理するという目標と、ユーザーの利便性とのバランスを取る必要に迫られる。
問題を緩和するUEM
「統合エンドポイント管理」(UEM)ツールは、このような複雑な問題に対処する。「macOS」や「Windows」を実行する従来型クライアントデバイスであっても、「iOS」や「Android」を実行するモバイルデバイスであっても、UEMツールは管理上の問題を取り除きながら、各種エンドポイントでユーザーの快適な操作性を維持するのに役立つ。
大まかに言えばUEMツールは、可視性、制御、自動化を改善するように設計されている。例えば次のような機能を備える。
- 物理資産管理
- OS、サードパーティーソフトウェア、自社開発アプリケーションのアップデート
- システムのセキュリティ強化と構成管理
- アプリケーションの検証とコンテナ化
- エンドポイントのOSやユーザーの役割、地理的な場所に基づいたポリシー適用
- ネットワーク管理およびセキュリティ管理システムとの連携
- レポートと監査
OSやデバイスが変わってもユーザーにとっての操作性に差が出ないようにすることは、IT管理者が直面する課題の一つだ。OSやデバイスごとに異なる管理ツールを使用している場合、その可能性は低いと言わざるを得ない。
初めてUEMツールを使う場合も、UEMツールの戦略を調整してステップアップを図る場合も、エンドポイントの操作性を考慮しなければならない。考慮すべきことには、生産性、クロスプラットフォームの機能、システムへのアクセスの容易さなどがある。
ユーザーの利便性とセキュリティのバランスを取る
システムのセキュリティと管理は最優先事項だと考えられている。ただし作業の遂行という実用的ニーズと照らし合わせる必要がある。利便性と管理のバランスを取ることが重要だ。UEMツールを評価するときには、次の項目を自問自答してみよう。
- 使用しているOSやデバイスの種類を問わず、ユーザーは同じ方法でシステムとアプリケーションにアクセスできるか。
- ユーザーの思考と行動パターンに変化を促すトレーニングを実施するのではなく、そのような効果をもたらすテクノロジーを適用することは可能か。
- 新たなUEMツールを導入したり、既存のUEMツールを調整したりする場合、一般的なアプリケーションの操作性にどのような影響を与える可能性があるか(一般的なアプリケーションとは、Webブラウザ、メール、インスタントメッセージング、ドキュメントの共有などを指す)。
- UEMツールはセキュリティに関する判断を迫られる状態から、ユーザーをどのように解放できるか。
- UEMツールは管理プロセスへのユーザー関与をどのように強化できるか(これには、問題が発生したときのインシデント対応が含まれる)。
ユーザーの立場に立つ
エンドポイント管理には、ユーザーの立場に立ったシステムを利用する必要がある。モバイルデバイス、ノートPC、デスクトップPCの操作性が煩わしくならないようにするには、システム選定の意思決定プロセスに適切な人材を巻き込むことが重要だ。
チームには、ITやセキュリティの知識がない人物をメンバーに含める。そのチームでは、エンドポイント管理だけでなく、使い勝手に関する目標も策定する。それから、モバイルデバイスと従来型クライアントデバイス向けに確立しなければならない、標準とポリシーを特定する。全関係者が満足するシステムを開発して維持することが肝要だ。IT部門にとって便利なだけのシステムであってはならない。
投資家ウォーレン・バフェット氏は「人間には物事を難しくするという屈折した特性がある」という明言を残している。UEMツールは状況を改善するためのものだが、適切な計画と管理が欠かせない。これを怠るとエンドユーザーにとってのエンドポイントの操作性が複雑になる。そして解決される問題よりも新たに生まれる問題の方が多くなってしまう。これは望むところではない。
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