発言力拡大に向けた取り組み
女性CISOが2割でも不十分? セキュリティ分野で活躍する女性を増やすには
女性団体のExecutive Women's Forum(EWF)がワシントンを訪問し、米国議員と議論した。サイバーセキュリティ分野において、米国連邦議会での女性の存在感を高めるためだ。
2019年5月、Executive Women's Forum(EWF:エグゼクティブ女性フォーラム)が米国連邦議会の議員および職員に面会した。その際の議論で、下記の3つが重要なトピックとなった。
- サイバーセキュリティ法の検討
- サイバーセキュリティ分野の女性の増員
- サイバーセキュリティ分野に参入するベテラン女性の訓練
セキュリティ分野における女性活躍のゴール
議論の場はセキュリティに関するシンポジウム、第3回EWF Cybersecurity Women on Capitol Hill Public/Private Symposium(キャピトルヒルのEWFサイバーセキュリティ女性担当者による公的・私的シンポジウム)として開催された。その目標は、サイバーセキュリティ法の整備の進展に合わせて、立法プロセスへの女性の参加を増やすことだった。連邦議会の議員と職員を、サイバーセキュリティやプライバシー、リスクの諸問題について教育し、助言と専門家の証言を提供することにより、その実現を目指すという。
EWFの創設者で、エグゼクティブ人材紹介会社Alta AssociatesのCEOでもあるジョイス・ブロカグリア氏はこう語る。「EWFは、より包括的な立法プロセスを通じてサイバーセキュリティ法を改善できると強く感じている」
6000人以上のメンバーを擁するEWFから100人以上の女性が連邦議会のあるワシントンを訪れ、陸海空軍、国土安全保障省、退役軍人省の職員と、下院および上院で30回以上の会議を開いた。その会議で、サイバーセキュリティ、プライバシー、リスクの各問題を網羅するサイバーセキュリティ専門家として、女性が立法プロセスに参加することについて議論した。
ブロカグリア氏によると、EWFの最終目標は「連邦議会とEWFメンバーの協調関係を築くことによって、より良い法案の作成に影響を与えること」だという。「彼女たちの役割は、密接な関連性があり、タイムリーかつ検証済みのアドバイスを提供することだ」(同氏)
併せて読みたいお薦め記事
サイバーセキュリティ分野での女性活躍推進
- サイバーセキュリティ分野で働く女性が議論 優秀な人材を採用する方法とは
- 「女性セキュリティ担当者」が増えない理由は“白人男性至上主義”にあり?
- セキュリティ担当に女性はなぜ少ない? Facebook幹部が「残念な誤解」を指摘
最高情報セキュリティ責任者のキャリア事情
「CISOの20%が女性」だけでは不十分
「EWFメンバーは連邦議会にとって今以上に身近な存在になりたいと考えている。そのためには努力が必要なことをデータが裏付けている」とブロカグリア氏は語る。2018年末、調査会社Forrester Researchは「企業ランキング『Fortune 500』に名を連ねる企業において、女性の最高情報セキュリティ責任者(CISO)の数が2020年までに20%まで増加する」と予測した。しかし「企業でサイバーセキュリティ分野の上級職の女性の数が増えても、それでは十分とはいえない」と同氏は付け加える。
「この予測は、2011年から2018年にかけてサイバーセキュリティ問題について議会で証言した女性の割合を反映している」とブロカグリア氏は語る。議会図書館内の立法機関である議会調査局の調べによると、該当期間を会期とする第112~115連邦議会におけるサイバーセキュリティに関する発言のうち、女性によるものは21%だったという。「これは予想を上回っていたが、21%という数字は女性のセキュリティ専門家が十分に活躍できていないことを示している」と同氏は指摘する。これが、プライバシー、安全、リスクの専門家である女性と、議員や小委員会が会う機会を提供するために、EWFが30回以上の会議を開催した理由の一つだ。
EWFは2017年から新たな取り組みを開始した。グループのリソースとサイバーセキュリティ問題に関する証言やアドバイスを提供できるよう、連邦議会の議員と職員を教育するというものだ。「第4次産業革命に入ると、立法機関は、先端テクノロジーの影響と、米国内外からの脅威と脆弱(ぜいじゃく)性に対処しなければならない」とブロカグリア氏は指摘。サイバーセキュリティ法の検討はまだ始まったばかりであり「本質的な偏りをこの法律からなくすために、女性が寄与できるように手助けしたい」と意気込む。
ブロカグリア氏によると、連邦議会の職員はEWFとの協力に対して非常にオープンだという。「職員は、われわれの働き掛けにより、存在に気づいていなかった人材のコミュニティー全体に目を向けることができた」と同氏は言う。その目的のために、EWFのメンバーは、サイバーセキュリティ業務におけるギャップ、セキュリティを強化するための女性退役軍人の訓練、サイバーセキュリティの多様性などのトピックを議論するために、多数の議員や職員と協力している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
数百万台規模のデータで判明、企業のIT環境に潜む「見えない課題」とは -
製品資料
クラウド開発環境で高まる運用の課題、選定において重要な判断軸とは? -
製品資料
Oracle DatabaseをAI活用基盤へ、クラウド移行を阻む4つの課題と解決策 -
市場調査・トレンド
数百万台規模のデータで判明、企業のIT環境に潜む「見えない課題」とは -
製品資料
サーバ高密度化を阻む「見えない配線問題」 UTPやDACの限界を超える選択肢は?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
2
月額91.3万円のAIエンジニア システムアーキテクト級に並んだ単価の中身
-
3
ランサムウェア被害額が平均3.5億円に拡大 なぜ企業の復旧は遅れるのか
-
4
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
5
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
6
ブラックボックス化したExcelマクロの解読 生成AI「IBM Bob」で95%削減
-
7
逆効果になることもある「レガシーシステム刷新」 失敗しないための知恵とは?
-
8
「ERP(統合基幹業務システム)の導入・活用」に関するアンケート
-
9
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
10
終わらない脆弱性対処に効く 「WAF」による“時間稼ぎ”の防衛術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
財務・会計はAI活用でどう変わる? 調査で見えた変革の道筋
-
3
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
7
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー