Facebookの不祥事を振り返る【後編】
ザッカーバーグCEOの「Facebookはプライバシーを重視」の約束は守られたのか
Facebookで相次いだセキュリティやプライバシーに関する問題に対して、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は改善を約束した。その約束は今でも守られているのだろうか。
2019年1月、Facebook社がAppleのモバイルOS「iOS」に潜んでいたポリシーの抜け穴を悪用し、情報収集用のアプリケーションを配布していたことが判明した。このアプリケーションは、Appleが発行した証明書を使ってユーザーのデバイスのルート権限を取得し、位置情報、アプリケーションが発信するメッセージなどの情報収集ができるようになっていたという。Facebook社は「ユーザーが自主的にこのアプリケーションをインストールした」と主張している。
この報道を受け、AppleはFacebook社の証明書を全て利用停止し、該当の情報収集アプリケーションの配信を取りやめた。だがこれにより、Facebook社が社内用に開発したiOS用アプリケーションも全て実行できなくなってしまった。Appleはその後、Facebook社の証明書を復活させている。
併せて読みたいお薦め記事
ソーシャルメディアを取り巻くこれまでの脅威
「Facebook」に関する記事
平文で保存されていたパスワード
前編「Cambridge Analytica事件だけではない 『Facebook』の不祥事を振り返る」で紹介した2018年12月の内部文書流出に加え、さらに2019年2月には別の内部文書が流出した。それによりFacebook社が2012年に、GoogleのモバイルOS「Android」を搭載するデバイスの位置情報と基地局IDを照合させ、位置情報を認識する製品の提供を試みる計画を立てていたことが明らかになった。同社のソーシャルネットワーキングサービス「Facebook」を、競合するアプリケーションがどのように利用しているかなど、ライバル企業の機密情報を収集しようとしていたことも判明した。
2019年3月、Facebook社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、同社のユーザープライバシー保護体制に問題があることを認めた。その上で「Facebookを『プライバシー重視』のサービスに変える」ことを約束した。
約束は守られたのか
Facebook社がユーザー最大6億人分のパスワードを平文で保存していたことを発表したのも、2019年3月のことだ。同社の発表によると、パスワードは最大7年間、社内で検索可能な状態になっていたという。「パスワードは社外から閲覧できる状態ではなかった。これまでのところ、社内で不正使用や不適切なアクセスがあったことを示す証拠は確認されていない」と同社は述べた。なお同社は当初、影響を受けた写真共有サービス「Instagram」ユーザーの数を数万人分と発表していたが、その後数百万人分に修正した。
ザッカーバーグ氏と幹部らの密談
2019年4月の初め、およそ5億4000万件のFacebookユーザーデータ146GBが外部のデータベースに保管され、誰でも見ることができる状態になっていたことが判明した。同月半ばには内部文書がさらに公開され、ザッカーバーグ氏とFacebook社の幹部がユーザーデータを収益化する方法について話し合っていたことが明らかになった。そこではユーザーデータの利用に関する大手IT企業との特別な取引や、収益増加のために競合他社によるユーザーデータの利用を制限する計画を検討しており、「プライバシー保護の強化に努める」という表明とは裏腹の内容となっている。
Facebookがユーザーにメールアカウントのパスワードの入力を求め、ユーザーがパスワードを入力すると無断で連絡先をインポートしていことが、2019年4月に明るみに出た。これによってFacebook社は約150万人のユーザーから連絡先リストを入手していたという。同社はこれらの連絡先情報について「誤ってFacebookにアップロードされた」と述べる一方で、セキュリティの専門家はそもそもメールパスワードの入力を求めたこと自体を大きく批判している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Facebookの不祥事を振り返る
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー