2019年06月26日 05時00分 公開
特集/連載

「人工知能のバイアス」を考える【前編】Amazon、Facebookも批判の的に 「公平・公正なAI」はなぜ難しいのか

AIシステムのバイアスは、人種や性差に基づく誤った判断をもたらすことがある。Amazon.comとFacebookの事例から、現在のAIシステムが抱える課題について考える。

[Mark Labbe,TechTarget]

関連キーワード

Amazon | Facebook | ITガバナンス | 機械学習


画像

 Amazon.comは人工知能(AI)技術を搭載した人材採用向けシステムの開発を2014年から3年間続けていたが、2017年に中止した。後日明らかになったところによると、このAIシステムには女性志願者に対するバイアス(偏見、差別)が含まれていたという。同社はこの問題の解決を試みたが、できなかった。

 問題の元凶は、AIエンジンのトレーニングに使っていたデータにある。このデータはIT企業における10年分の求職データで、採用した男女の割合の不均衡を反映していた。AIシステムはそのデータを取り込んで、同じパターンを生成してしまった。

 2019年1月にも、AIシステムのバイアスを巡った議論が巻き起こった。その発端は、Amazon.comの子会社であるAmazon Web Servicesが画像、動画分析ツール「Amazon Rekognition」と顔認識ソフトウェアを米政府機関に販売することに「物言う株主」が反対したことだった。その後AIサイエンティストのグループも反対側に加わっている。

 Amazon RekognitionのAIエンジンにバイアスが疑われることについて、Amazon.comおよびAWSは強い批判を受けた。AWSは同社のWebサイトにブログ記事を掲載し、見解を示している。

 このブログ記事では、AWSで深層学習(ディープラーニング)をはじめとするAI技術の統括マネジャーを務めるマット・ウッド氏が、批判を巻き起こすきっかけとなった研究論文と、研究の「幾つかの誤解と不正確な事実」(同氏見解)についてコメントしている。ウッド氏によれば、推奨しているのとは異なる方法で不適切にツールが使われたことにより、研究結果がゆがめられた可能性があるという。

まん延する問題

ITmedia マーケティング新着記事

news034.jpg

Cookie利用規制が今必要な理由を整理する
個人情報保護の観点から、広告・マーケティングにおけるCookieの利用をはじめとしたデー...

news150.jpg

地銀カードローンのWebサイトに6つの勝ちパターン、64行ランキングトップは百五銀行――WACUL調査
WACULテクノロジー&マーケティングラボは3万サイトのデータをベースに作った評価基準を...

news127.jpg

新型コロナウイルス感染拡大で飲食業経営者の6割が「このままでは事業継続困難」と回答――ショーケース調査
首都圏を中心とした飲食業界経営者に対して2020年3月26〜30日に実施した緊急アンケート調...