定期的な確認が大切
古いハードウェアを使い続けるリスクと、それでも使い続ける際の注意点
古いハードウェアは脅威をもたらす恐れがある。今日の企業が扱う機密データの量を考えれば、その可能性は十分ある。セキュリティリスクを低減するために何をすべきか。
サーバ、ストレージ、ネットワーク機器などの古くなったハードウェアを企業が使い続ける理由の一つは、更改にかかるコストだ。ハードウェアを調達したベンダーと長期のサービス契約を結んでいることを理由に、古いミニコンピュータやメインフレームを長く保有し続けている企業も少なくない。
日常業務では既に利用しなくなっているが、データを「参照する」ためだけに、あるいは法規制を理由にハードウェアを長年保有し続ける企業もある。
だが一般的には、管理者が全てのハードウェアとデータに関するインベントリ(保有するIT資産のデータ)整理ができていないため、古いハードウェアが依然として使用されているのが実情だろう。
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古いハードウェアを使用し続けるリスク
企業が古いハードウェアを使用することには、法律面、財務面、運用面でリスクを伴う。企業の業務遂行に必要な最新のテクノロジーを実行するのが難しいため、生産性の低下や、従業員の疲弊を引き起こす可能性があるからだ。さらに考慮すべき点は、セキュリティ面で大きなリスクを生むことだ。
マルウェアのリスク
サーバ、ネットワーク機器、ソフトウェアなどは、世代を重ねるごとに新しいテクノロジーを導入し、増大するマルウェアの脅威を防いだり緩和したりしている。ベンダーは通常、ハードウェア、ソフトウェア、ドライバーの世代ごとに、アップデートのサポート終了日を定めている。
世代が古くなったハードウェアは最新の更新プログラムを適用できず、最新の保護を受けていない状態になるため、マルウェア攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)になるリスクを負っている。特に医療や金融などの業界では、このようなハードウェアに格納されているデータが少なくないため、注意が必要だ。
データ損失のリスク
攻撃者が脆弱性のあるハードウェアを足掛かりに企業のネットワークを侵害すると、ITインフラが危険にさらされ、高度なマルウェア攻撃によってデータが盗み出される恐れがある。古いハードウェアは概して保守サポートの有効期限が切れているため、セキュリティ侵害を受けやすい。参照用のデータを保存しているのみのハードウェアも同様だ。
ハードウェアが時代遅れだからという理由で、確立済みのハードウェアの処分工程を省略しても問題ないと考えてはいけない。適切に処分しなかったハードウェアから重要なデータが盗まれるリスクが残るためだ。
「古いハードウェアが犯罪者の標的になることが増えている。時代遅れになったハードウェアを更改し、責任を持って処分することが急務だ」。ハードウェアリサイクルを手掛けるElectronic Recyclers Internationalの共同創業者で会長を務めるジョン・シェジェリアン氏はこう語る。
サイバー攻撃の防止
サイバー攻撃によるセキュリティ侵害を防ぐ方法の第一歩は、自社がどのようなハードウェアを保有しているかを把握することだ。IT資産レポートをまとめ、新しいセキュリティ対策を適用できるかどうかを確認するとよい。まとめたレポートを実際のデータ処理手順と照らし合わせて、所有するIT資産とその管理方法を記したマスターリストを作成することが有効だ。
IT資産レポートとその管理手順を記したマスターリストは定期的に確認し、必要に応じて更新する。オンライン管理ができないハードウェアを保有している場合、確認作業には時間がかかるが、時間をかけるだけの価値はある。企業が保有しているハードウェアの量に応じて、管理者は年に1~2回の頻度でマスターリストを確認するとよい。
古いハードウェアの確認と廃棄
古いハードウェアのアップデートとメンテナンスは、困難かつコストがかかる。概して、ハードウェアを長く保有すると、アップデートとメンテナンスが膨大な作業になる。この作業は誰もやりたがらず、費用を払ってでも第三者に作業を委託したいと考える状況に陥る。
一度に対処するのではなく、対処しやすいレベルの量や頻度でマスターリストを確認する時間を確保するとよいだろう。定期的に確認し、その結果を購入担当者に伝え、新しいハードウェアを購入しやすい環境を整えることが重要だ。こうした取り組みによって、短い期間、少ない労力と予算でハードウェアを更改する慣習を形成し、望ましい状態を実現できる。
マスターリストを定期的に確認することは、必要のなくなったハードウェアの廃棄ポリシーを策定するのにも役立つ。特定のハードウェアを処分することに決めたら、管理者は後継となるハードウェアを選定して、データの移行と廃棄のプロセスに着手しなければならない。機密情報を扱うハードウェアは、この作業に数カ月以上の期間を必要とすることもある。マスターリストを確認することで、先んじてこれらの作業に着手できるようになる。
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