「RPA」から「IPA」へ【前編】
RPAと「インテリジェントプロセスオートメーション」(IPA)の違いとは?
「RPA」より高度な業務自動化技術として、AI技術を組み込んだ「IPA」がある。IPAはRPAと何が違うのか。
「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)を高度化した技術として「インテリジェントプロセスオートメーション」(IPA)が認知されつつある。RPAに人工知能(AI)技術を組み込んだIPAを活用することで、自動化できる業務の範囲が広がる。企業の最高情報責任者(CIO)やIT責任者は、IPAとRPAの重要な違いを理解する必要がある。
「IPA」は何を可能にするのか
IPAはRPAよりも適用できる業務の範囲が広い。処理できるデータ形式の種類が比較的多く、より高度な判断を可能にする。IPAを導入して最良の結果を得るには、IT部門とデータサイエンスチームが、RPA導入時よりも密接に連携する必要がある。
ITコンサルティング企業Cognizant Technology Solutionsで、IPA担当グローバルマーケット責任者を務めるバンワリ・アガーワル氏は、「本来RPAの機能には、インテリジェンス機能は含まれていない」と説明する。そのためRPAは、明確に定義されているルールベースのプロセスに適している。
IPAは、より複雑なプロセスに適している。例えばビッグデータの活用、自然言語処理、機械学習などの技術を、RPAと組み合わせたい場合に使用する。「状況に応じて、RPAが効果的な場合とIPAが効果的な場合がある」とアガーワル氏は話す。
IPAよりもRPAを選ぶべき場合も
アガーワル氏によると、RPA最大の利点は、簡単に利用できて高度なITスキルを必要としないことだ。RPA技術は一般的に、最小限のソースコード記述しか必要ないローコード開発や、ソースコード記述が必要ないノーコード開発で導入できる。ただし適用できる業務には限界がある。
ソフトウェアロボットの開発と導入は、IPAの方がRPAよりずっと複雑だ。IPAのソフトウェアロボットに正確な判断をさせるためには、データの抽出と分類の技術に加え、機械学習などのAI技術の活用が重要になる。IPAを導入する企業には、AI技術を使ったさまざまな製品やAI関連機能に精通した専門家が必要だ。
IPAやRPAの導入責任者は、エンドユーザーである従業員が持つITスキルを前もって確認しておく必要があるとアガーワル氏は話す。RPAには初級から中級のITスキルが必要であるのに対し、IPAにはさらに高度なスキルが必要だという。当然ながら導入しやすいRPAの方が、従業員人気が高い傾向にある。
ただしRPAによるプロセスの効率化は、IPAで実現可能なレベルには及ばない。アガーワル氏によるとRPAを導入しても、入力されたデータの抽出や判断については、人が果たす役割が依然として大きい。IPAの場合は、こうした人による判断が必要だった業務プロセスも自動化できるため、人件費を大幅に削減できる。
アガーワル氏はRPAからIPAへの移行を支援する関連技術として、IoT(モノのインターネット)データ分析や、業務プロセスのパターンを分析して業務改善につなげるプロセスマイニング、機械学習を挙げる。
中編ではRPAとの比較を基に、IPAの用途を具体的に説明する。
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「RPA」から「IPA」へ
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