2019年09月24日 05時00分 公開
特集/連載

「UiPath」「WinActor」を選んだ理由はRPAで残業を1人6時間減らしたテンプスタッフが語る「RPAの落とし穴」

パーソルテンプスタッフは、事務に関連する単純な業務をRPAソフトウェアで処理している。同社がRPAソフトウェアの導入で直面した課題と、「UiPath」と「WinActor」を選んだ理由を説明する。

[上田 奈々絵,TechTargetジャパン]

矢頭 慎太郎氏 パーソルテンプスタッフの矢頭 慎太郎氏

 人材派遣業のパーソルテンプスタッフ(以下、テンプスタッフ)は2017年に「RPA推進室」を新設し、「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)ソフトウェアを使った業務効率化に取り組んでいる。2019年6月開催のイベント「RPA DIGITAL WORLD TOKYO 2019」で、同室の室長を務める矢頭 慎太郎氏が登壇。RPAソフトウェアをスムーズに導入するために取り組んだことと導入の効果、同氏が「大きな勘違いをしていた」と語る導入時の反省について語った。

RPAの導入前に、増え続ける業務を切り分け

 テンプスタッフがRPAソフトウェアの導入プロジェクトに取り組んだきっかけは「働き方改革関連法」(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)に関連する2つの課題だ。一つは、2013年施行の改正労働契約法が、2018年までに派遣スタッフの雇用形態や契約期間などの契約についての見直しを迫る「2018年問題」。もう一つは2020年施行の改正労働者派遣法が盛り込む、同一労働同一賃金の原則だ。

 こうした課題に対処するには、事務処理の方法を変えたり、派遣スタッフの勤続年数や雇用形態などの条件に応じて追加の手続きをしたりする必要があり、業務が増加することは確実だった。2019年4月から順次施行している労働基準法や労働安全衛生法などの改正法を順守するため、従業員の残業時間の上限規制や有給休暇取得の義務化といった制度対応も必要だった。

 従来は業務量の増加に合わせて増員したり人材を再配置したりして対処していたが、テンプスタッフは事業拡大への投資も必要としていた。矢頭氏は「人手への依存から脱却しつつ、増える業務を処理するのに有効な方法の一つが、業務の自動化だった」と話す

 RPAソフトウェアを導入する前に、テンプスタッフは業務プロセスを棚卸しして、自社の業務をコア業務とノンコア業務に切り分けた。例えば営業や接客、高度な事務作業はコア業務、単純な事務作業はノンコア業務と定義した。事務を専門に担当する部署を新設して同部署にノンコア業務を集約し、コア業務に関わる担当者が本来の職務に集中できるよう環境を整えた。その上で、事務担当の部署にRPAソフトウェアを導入し、ノンコア業務の効率化を図った。

 各業務プロセスに沿ったRPAソフトウェアの設定は、既存の業務フローを見直し、より効率的になるよう再設計する「BPR」(ビジネスプロセスリエンジニアリング)と合わせて実施した。RPA推進室はRPAソフトウェアを利用する部署と協力して非効率的な業務フローを見直し、再設計した(図1)。

RPAの導入プロセス 図1 RPAの導入プロセス(出典:パーソルテンプスタッフ)

 「現場を巻き込んで導入プロジェクトを進めることで、スムーズにRPAソフトウェアを運用できるようになる」という矢頭氏の考えの下、テンプスタッフはRPAソフトウェアの利用部署の協力を得ながら、RPAソフトウェアの導入から、自動化する業務の選定、要件定義、運用保守までの一連の作業を進めた。同氏はRPAソフトウェアが利用部署にもたらした影響として属人化の解消を挙げ「それまでは社内業務を個々人の感覚や工夫で進める傾向があったが、導入の過程で業務プロセスの標準化が進んだ」と語る。

RPAソフトウェア導入当初には“勘違い”による課題も

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