RPA導入に失敗する企業がやりがちなことケースマネジメントによる業務改善について解説

RPA型botはすぐに導入でき、それでいて営業利益の改善という結果を示すことができる。しかしRPAは、新しいタイプの顧客や需要に合わせて現行プロセスを見直すことが必要なときには適していない。

2019年02月22日 05時00分 公開
[Linda TucciTechTarget]
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 「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)は変革を起こすテクノロジーではない。

 RPA分野を主導してきたベンダー、PegasystemsでCTO(最高技術責任者)を務めるドン・シュアーマン氏はそう考えている。同氏によると、RPAは人間の仕事であった定型的な反復作業を自動化するソフトウェアで、コスト削減や生産性向上、顧客サービス向上に役立つという。ロボティクスには、モジュールごとに再利用可能で展開しやすいという利点もある。

 しかしRPAは仕事の進め方を変えるものではなく、それがリスクになり得るという。

 「RPAには現行のプロセスに応急手当てをするだけで終わってしまうリスクがある。新しいタイプの顧客や競争、市場の新しい需要に合わせて現行プロセスを見直すことが必要なときに、そのままにしてしまう危険性がある」とシュアーマン氏は語る。

RPA型botは応急手当てにすぎない

 Pegasystemsはビジネスプロセスマネジメント(BPM)の分野で36年の実績がある。シュアーマン氏によると、BPMの世界では、現行プロセスをそのまま自動化するのは「獣道を舗装し直す」ようなものであって、根本的な改革にはならないと考えられるという。それよりも、現行プロセスを抜本的に見直して「顧客中心」に変えることが、多くの企業の急務になっている。

 顧客中心のプロセスに変えるためにはまず、顧客の望む成果(銀行口座の開設、商品の注文など)を理解する必要がある。それに加えて「可能な限り簡単で、パーソナライズされた、効率的な方法」で顧客の望む成果を実現するプロセスを構築する。これをうまく実践しているのがAmazonやUber、Googleだ。

 しかし多くの企業は、顧客の得られる成果に重点を置いたプロセスをなかなか構築できない。なぜなら顧客サービスを中心とする仕組みになっていないからだ。

 「これまでの中核システムは、カスタマージャーニーより取引業務の処理を目的として開発されている」とシュアーマン氏は指摘する。

顧客中心の業務プロセスとは?

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