近年、人が行っていたPC操作業務を自動化する「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)が急速に注目を集めています。調査会社Forrester Researchは「2019年までに、世界のさまざまな業種における業務の25%が、ロボティクス関連の技術によって自動化される」と予測しています。RPAというと、日本においては長時間残業問題に端を発した「働き方改革」の流れに乗った印象も抱きますが、RPAの活用は世界的な潮流になっているといえそうです。
ただし、一言にRPAといっても、人工知能(AI)技術を活用し、人間の判断が必要とされてきた非定型業務の自動化まで実現する場合を指すこともあれば、単純な定型業務のみを対象とする場合もあります。本記事では現在、活用の主流となっている、定型業務を対象としたRPAを前提とします。
「Microsoft Excel」(以下、Excel)のマクロを使いこなせる人であれば、RPA活用事例を見て「この内容であれば、RPAの専用ツールを使わなくても、Excelマクロで実現できるのではないか」と思うこともあるでしょう。実際、プログラミング言語「Visual Basic for Applications」(VBA)を使えば、Excelのマクロから「Microsoft Word」や「Microsoft PowerPoint」、データベースソフトウェアの「Microsoft Access」、メールクライアントの「Microsoft Outlook」(以下、Outlook)といった他のMicrosoft Officeアプリケーションを操作できますし、Webブラウザの操作も可能です(ただし基本的に「Internet Explorer」<以下、IE>限定)。VBAの「SendKeys」というメソッド(命令)を使用すると、アクティブになっているアプリケーションに対して、実際にキーボードで入力することなく、操作に必要な文字列を送り込むこともできます。
例えば社外から届く商品の発注メールを受信した後、発注内容を社内の受注管理システムに入力する……といった業務の自動化が、RPAの事例として挙げられることがあります。このとき、メールソフトにOutlookを使用しており、受注管理システムをIEで動作するWebシステムとして構築していれば、Excelマクロでも自動化は十分に可能です。ただし、このようなExcel以外のアプリケーションやWebシステムの操作まで実行するExcelマクロは、Excelだけを操作するマクロとは別のスキルや知識が必要であるため、作ることができる人はそれほど多くないでしょう。
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