Excelの関数「MATCH」の強化版として、新たに登場した関数が「XMATCH」です。それぞれを理解するためには、各関数の説明に登場する「相対位置」を理解する必要があります。相対位置とは何なのでしょうか。
Microsoftの表計算ソフトウェア「Excel 2021」に加わった新しい関数は、「XLOOKUP」の他、「LET」「XMATCH」があります。本稿はこの中から、XMATCHの基本的な特徴を解説します。
XMATCHは「MATCH」の強化版と言える関数です。XMATCHとMATCHの機能については、ExcelのヘルプやMicrosoftのサポートサイトに次の説明があります。
XMATCHはセルの範囲だけではなく、配列を指定できます。MATCHはセルの範囲しか指定できません。こうした違いはありますが、どちらも「指定範囲内の『相対位置』を結果として返す関数」という共通点があります。
相対位置とは、どのようなものでしょうか。図1は、相対位置を理解するための、XMATCHの使用例です。図1では、セルD1にXMATCHを使用しています。セルC1に入力した「800」は検索値です。XMATCHを使ってセルA1からセルA10の範囲で、検索値である800を検索し、結果として「8」という値をセルD1に表示しています。
この8という値は、
を示しています。つまりXMATCHでは、指定するセルの配列または範囲によって、位置を数える最初のセル、つまり基準セルが変わることになります。そのためXMATCHの返す値は不動の絶対位置ではなく、基準セルによって変動する相対位置になるのです。
中編は、XMATCHとMATCHの基本的な違いを解説します。
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1971年愛知県生まれ、名古屋大学経済学部卒、中小企業診断士。IT企業在職中に、単一業種においてキャリアを積んでいくことに疑問を感じ、どんな業界、職種でも通用する知識を得るべく中小企業診断士を取得。複数社を経て、現在の勤め先にて、コンサルタントとして、データを活用した業務効率改善に取り組む。
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