iPhone搭載の「iOS」を好む人と、「Android」が大好きな人の違いモバイルの2大OSを比べてみた(1/2 ページ)

Appleの「iOS」とGoogleの「Android」。この2つの最大の違いはカスタマイズ性だ。新たにスマートフォンを購入する場合は、カスタマイズする/しないのトレードオフ関係を、大局的に検討する必要がある。

2016年03月27日 07時00分 公開
[Vince FontTechTarget]
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 通信事業者とスマートフォンのプランを絞り込んだら、後はスマートフォンを選ぶだけだ。特定のプラットフォームに縛られることに不満がないのなら、またはお気に入りのメーカーがあるのなら、スマートフォンを選ぶのは簡単だろう。だが、変化を求めている場合や初めてスマートフォンを持つ場合には、新たに購入するスマートフォンを決めるのは気が遠くなるようなタスクになる。それは、数百とは言わないまでも、数十もの選択肢があるからだ。

 確実に自分のニーズに合った最高のスマートフォンを手に入れる方法は1つしかない。それは、最も重要なものからスタートすることだ。つまり、まずOSを選ぶのが良いだろう。大半のスマートフォンに搭載されているOSは、Appleの「iOS」かGoogleの「Android」のいずれかである。

 基本的なレベルでは、どちらのOSもよく似ている。Androidで可能な作業は、iOSでも同様に対応できる。動画視聴、ゲームプレイ、インターネットの閲覧、メッセージの送信、ビデオチャット、写真撮影、メールの管理などは、どちらでも全く同じようにできる。だが掘り下げてみると根幹的な違いが見えてくる。この2つのOSが特定のユーザーに適しているのはその違いのためだ。

AndroidとiOSのどちらを選択するのか

 AndroidとiOSのどちらかを選ぶ際には、この2つの決定的な違いを大局的に見る必要がある。AndroidとiOSの最大の違いは、どれだけカスタマイズできるかだ。端的に言うと、Androidスマートフォンの方がiOSデバイスよりもカスタマイズしやすい。その結果、当然ともいえるトレードオフが生じている。つまり、iOSデバイスはAndroidほどカスタマイズできないが故に、多くのユーザーはより直観的で使いやすいと考えている。

Androidの特徴

Galaxy S7 edge Androidスマートフォン「Galaxy S7 edge」(画像は「徹底レビュー:iPhoneファンも欲しがる「Samsung Galaxy S7 edge」に死角はない?」より)《クリックで拡大》

 Androidスマートフォンを操作するのにコンピュータ科学の専門教育を受けておく必要があると言っているわけではない。だが、デバイスをいじるのが好きで、自分のスマートフォンを細かく調整してインタフェースを自分好みにカスタマイズできることを望むなら、Androidスマートフォンが最適な選択肢になるだろう。

 Androidスマートフォンのカスタマイズの限界は、スマートフォン自体の機能と実行しているアプリのみによって決まる。例えば、次のようなことができる。

  • 任意の数のテーマをインストール
  • 対話型ウィジェットをホーム画面とロック画面に追加
  • 特定の種類のファイルを起動するアプリを指定
  • アプリランチャー/アプリトレイ/通話アプリ/キーボード/電子メール/SMSのサードパーティーアプリのダウンロード。
  • デフォルトのフォントの変更

 さらにすばらしいことに、Androidスマートフォンではアプリのサイドローディングもできる。これは、公式のGoogleの「Google Play」以外のソースから自分のスマートフォンにアプリをダウンロードする行為のことだ。例えば、Amazonのアプリストアである「Amazon Underground」や、インターネットから直接ダウンロードすることもできる。

 Androidは、プルダウン式の通知バーに機能的なショートカットボタンが配置されていることでも有名だ。Androidなら、この通知バーのボタンを1回タップするだけでさまざまなことが実行できる。Wi-FiやBluetoothのオン/オフの切り替え、GPSの有効化、機内モードの利用、消音、画面回転の固定、メッセージの確認や返信などが可能だ。こうした機能アイコンを長押しすると、それぞれの設定メニューも表示できる。一方、iOSデバイスにもプルアップ式のコントロールセンターがある。このコントロールセンターにも前述のような機能の多くが搭載されており、各機能のオン/オフを切り替えることは可能だ。ただし、設定画面にアクセスするためのショートカットは用意されておらず、設定を変更したい場合は、設定画面にアクセスしなければならない。

 要するに、Androidは一連の境界線を緩く設定しており、ユーザーがある程度自由に独自のワークフローや基本設定を決められるようにしている。いくらかの試行錯誤は必要になるが、Androidの愛好家にとっては、それも楽しみの一部になるだろう。

iOSの特徴

iPhone 6s/6s Plus iPhone 6s/6s Plus(画像は「『iPhone 6s/6s Plus』購入希望者の背中を強く押す、移行すべきこれだけの理由 」より)《クリックで拡大》

 iOSはAndroidとは別物だ。Appleは最近の更新でiOSの自由度を上げている。具体的には、通知センターに操作可能なウィジェットを追加したり、サードパーティー製のソフトウェアキーボードをサポートしたりしている。だが、このような更新と壁紙を除けば、iOSは一貫性が高くて柔軟性の低い環境である。デフォルトの設定では、アプリのサイドローディングは不可能で、ブラウザやメールクライアントのようなデフォルトのアプリを一括変更することもできない。アプリでリンクをクリックすると、リンク先はAppleの「Safari」で開かれる。回避策としてデフォルトで使用するアプリをアプリごとに指定することはできる。例えば、Googleの「Gmail」アプリで、全てのリンクを同社の「Chrome」で開くように設定するといった具合である。だが、これは控えめに言っても面倒だろう。

 iOSを選ぶ理由は何だろうか。柔軟性には欠けるが、iOSは非常に直感的に操作できて比較的安定している。何かしら不具合が生じたり正常に動かなくなったりしても、Appleによってすぐに修正プログラムが提供される。また、iOSはAndroidユーザーが憧れるくらいに洗練されている。Appleはかつて「It just works(とにかくちゃんと動く)」というスローガンを掲げていた。そして、それはiOSにも当てはまる。iOSに備わっている一貫性はユーザーにとって理にかなっている。その一貫性のおかげで、iOSを使用したことがほとんどないユーザーや、全く使用したことがないユーザーでも、手に取って簡単に使用することができる。

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