Hewlett Packardは新型のノートPC「HP Spectre」を発表した。現時点での“世界最薄”となる13.3型ノートPCで、デザイン性も高い最新モデルだ。この極薄ノートPCは、いくら払っても惜しくない性能なのだろうか?
2016年4月5日(米国時間)にHewlett Packard(以下、HP)は、新型のノートPC「HP Spectre」に加え、2種類のサイズ展開の「HP ENVY」と15.6型の「HP ENVY x360」を発表した。これらのモデルにより、超薄型ノートPCの限界が再定義され、プレミアムな「高級」電子機器の新たな基準が示された。消費者は、この最薄ノートPCがどんな額であっても買い求めようとするだろうか。それとも、HPは薄型軽量設計の市場価値を高く見積もりすぎたのだろうか。本稿では、これらの製品について詳しく見ていきたい。
HPのエンジニアが、「世界最薄ノートPC」の称号をAppleから奪還するノートPCを構築することを決意していたのは間違いない。新型のHP Spectre(1169.99ドル、約12万9000円。日本での発売は未定)には、Corningの「Gorilla Glass」で保護された13.3型のフルHD IPSディスプレイが搭載されている。10.4ミリという薄さを実現するために、タッチスクリーンは採用していない。また、本体の底面はカーボンファイバー製で、筐体の耐久性を損なうことなく可能な限りHP Spectreを薄型かつ軽量に保つのに一役買っている。本稿執筆時点でHP Spectreは世界最薄のノートPCだが、最軽量ではない点に留意されたい。HP Spectreの重量は約1.11キロと非常に軽いが、12型のAppleの「Macbook」はわずか0.92キロだ。
本体の後端部は光沢のある銅がアクセントとしてあしらわれており、左右にあるピストン式の独特なヒンジが上手く隠れている。このヒンジは、カバーを閉じると奥まった所に引っ込むため、ヒンジの存在を感じさせない魔法のような設計になっている。内蔵の4セルの「ハイブリッドバッテリー」は、実際には形状が異なる2組の2セルのリチウムポリマーバッテリーだ。2つの薄い部品に分割することで、本体で大きなスペースを占有することなく、単一の4セルのバッテリーに匹敵する電力を供給している。HPによれば、満充電の状態ならバッテリーは最大9時間30分間持続するという。
HP Spectreの全ての端子は後端部に配置されている。USB Type-C端子(USB 3.1 Gen2)は3つ搭載されており、そのうち2つはAppleの「Thunderbolt」をサポートしている。また、これらの3つの端子はいずれも双方向の給電が可能だ。USB端子を使用してHP Spectreを充電することも、電気コンセントが近くにない場合はUSBで電力供給可能なデバイスを充電することもできる。Bang&Olufsen製のステレオスピーカーはキーボードの両端に配置されており、HPの「HP Audio Boost」テクノロジーを搭載している。
HPは、発売時にはHP Spectreのプロセッサの選択肢を2つに絞ることを決定している。具体的には、Intelの第6世代デュアルコアの「Core i5-6200U」または「Core i7-6500U」のプロセッサだ。どちらのCPUも最大4185MBの共有グラフィックメモリを使用するIntelの「Intel HD Graphics 520」を内蔵している。いずれのCPUもストレージ容量が256~512GBの高速PCIe SSDと組み合わせることができる。ただし、システムメモリは搭載されている8GBのLPDDR3 SDRAMに限られる。メモリはメインボードに接合され、組み立ての段階で本体が密閉されるため、購入後にシステムメモリやSSDをアップグレードすることはできない。
本体を密閉する主な理由は、Intelの高圧冷却システムを組み込むためだ。従来のヒートシンクとヒートパイプの助けを借りずとも、CPUと内蔵されたGPUは一組の小型ファンにより冷却される。この設計のおかげで、小さな筐体でもHP Spectreは冷却状態を維持できる。ただし、これは裏を返せば、筐体を開けると冷却システムが損なわれる可能性があることになる。つまり、このノートPCの購入を検討するなら超薄型設計に価値を見いだせなければならない。自宅での手入れ、修理、アップグレードは諦めることになるからだ。
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