2019年08月26日 05時00分 公開
特集/連載

“脱Excel”か“活Excel”か「Excel職人」が生まれる理由――課題を解決するほど仕事が増えるジレンマ

企業活動において、「Microsoft Excel」を使う仕事は「必要な業務」であっても「重要な仕事」とまでは言えない場合があります。このことが、Excel業務に従事する人のモチベーションに大きく影響しています。

[村山 聡,著]
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 ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの言葉に「人間は行動を約束することはできても、感情は約束できない」というものがあります。企業は経営活動を円滑に間違いなく実施するために、就業規則や業務手順書など、さまざまなルールを規定しています。加えて上司の業務指示や顧客との約束など、規則以外にも守るべき約束事が日常的に発生し、従業員は常日頃から約束事のために働いているといっても過言ではありません。こうしたルールや約束について、守る必要がないと考える人はほとんどいないでしょう。

 一方で、感情的には人それぞれ、さまざまな思いを持ちます。ルールや約束を守ることは当然であり、守ることが自分の取るべき行動だと考え、ルールを厳格に守ろうとする人もいるでしょうし、面倒だと思いながら仕方なく守ろうとする人もいるでしょう。人間が感情の生き物である以上、こうした多様な感情を抱くのは当然のことです。

 ポジティブな感情を持っているのであれば問題ありませんが、従業員がネガティブな感情を抱いたまま仕事をすることは、決して良い状態であるとは言えません。小学生が夏休みの宿題をやりたくないからという理由で、夏休みが終わるギリギリまで宿題に手を付けずにいると、夏休みが終わる頃に慌てて始めたせいで全部の宿題をやり切れなかったり、やれたとしても、いいかげんにしかできなかったりすることがあります。仕事においても同様で、ネガティブな感情が仕事への着手を遅らせたり、仕事の効率を悪化させたりすることにつながります。

「モチベーションマネジメント」の重要性

 仕事に対してこのようなネガティブな感情をなるべく抱かせず、ポジティブな感情を持って仕事に取り組んでもらうように従業員を管理することを「モチベーションマネジメント」といいます。モチベーションは「動機付け」「やる気」と言い換えた方が分かりやすいかもしれません。モチベーションに関してはさまざまな研究がなされており、その中でもモチベーションマネジメントを実施する上で施策を立てやすい理論が、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した「動機付け・衛生理論」(二要因理論)です。

 ハーズバーグの動機付け・衛生理論によると、人間には2種類の欲求があります。1つ目は苦痛を避けようとする動物的な欲求、2つ目は心理的に成長しようとする人間的な欲求です。この2種類のうち苦痛の原因となる要因は、いくら取り除いても満足感を引き出すことにはつながらず、仕事のやる気を引き出すには心理的な欲求を満たす施策を実行する方が効果的だと、ハーズバーグは説明しています。

 心理的な欲求には達成感や承認などがあり、例えば企業において重要な仕事を任され、成果を出せば達成感を感じます。その結果、昇進や昇給などの評価が得られれば、承認欲求が満たされることになります。重要な仕事ではないとしても、仕事に対して工夫を施し、その結果、仕事の効率が改善されることになれば、達成感を得ることは可能でしょう。

「Excelで効率化」の達成感だけではやりがいは続かない

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