業務パッケージの世界は既に機能が成熟化し、機能の差別化が難しいとされている。その定説を覆すかのごとく真っ先にSaaS化に取り組み、ネットワーク化や連携機能の強化で付加価値を高めているのがPCAだ。
ピー・シー・エー(以下、PCA)は、日本のPCの黎明(れいめい)期から、PCで給与事務を行う個人事業主をターゲットにパッケージを開発し続けてきたベンダーである。公認会計士の有志によって1980年に設立された同社は、当時“PC御三家”の一角を担っていたシャープのMZシリーズに対応する「ABC財務会計システム」の開発からスタート。その後、NECのPC-9801シリーズ向け製品として1983年に発売した「ザ・PC会計」が、PC誌の選ぶ業務ソフト部門ランキングで年間ベストセラーになったことをきっかけに、個人事業者向け会計ソフト市場への参入や非営利法人向け会計ソフトの開発などで会計業務ソフトウェアベンダーとしての地位を固めていった。そして、旧国鉄が分割民営化した1987年の3月に発売を開始したのが「PCA給与」だった。
それから20余年、IT環境の変化や法制度への対応などの改良を積み重ね、2010年1月に「PCA給与9 V.2R7」として最新版をリリース。月々の支給・控除項目を入力するだけの簡単な給与計算事務を実現している。
このPCA給与最新版の新機能の1つが、2010年4月から施行された改正労働基準法への対応である。時間外労働の限度や法定割増賃金率の引き上げ、時間単位年休導入など新規に追加となる項目の設定も簡単に行える。
そしてもう1つの新機能が、雇用保険対象者チェック。高年齢者保険料免除の対象かどうかの設定や、その対象者チェックが可能となった。
そのほかの注目機能には、以下のものがある。
・所得税徴収高計算書作成のための資料出力
月ごと、期間ごとの所得税額を出力し、従業員10人未満で特例納付の申請をしている会社用の集計にも対応している。
・支払状況内訳書資料の出力
支払状況内訳書などを書くための資料として、毎月の所得税額などを出力する。
・社員台帳の出力
PCA給与に登録されているデータに基づいた社員台帳を出力できる。
・内部統制機能の強化
ユーザーID、処理名、処理内容、コンピュータ名を履歴として管理・保存する履歴(操作ログ)を表示。また、パスワードのけた数、有効期限を設定することで、なりすましによる情報漏えいを防止する。さらに、承認機能の追加によって給与・賞与データを月次単位で承認し、データの修正・削除を不可能にしたことで、承認後の不正なデータ改変を防止する。
・雇用保険/社会保険届の作成
ほかのソフトを使用せずに、PCA給与で入力したデータから雇用保険や社会保険に関する届け書や資料を作成することができる
・表計算ソフトとのインテグレーション
PCA給与9 V.2R7で作成したデータをMicrosoft Office Excelシートに出力でき、一覧表やグラフなどを作成することでさらに詳細な給与管理が可能。
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