中堅・中小企業向けに特化した業務パッケージを取り上げる本連載。まず企業の人事・給与管理業務を効率化する製品を取り上げ、業務改善に結び付く特徴や先進的な機能を紹介していく。
中堅以下の企業で活用されている業務パッケージは、大手からベンチャーまでベンダーが多くひしめき、製品のブランドもさまざまだが、特に会計、販売、人事・給与といった基幹業務系のシステムは機能や体系がほぼ同一で、機能の明らかな差別化がしにくい分野でもある。製品選択時のキーワードは、大きく4つに分けられるだろう。
このようなポイントを企業は厳しくチェックするため、各ベンダーはライバル製品の新機能を敏感にキャッチアップし、すぐに機能追加を行う結果、製品の差別化が難しくなりつつある。そのような中でも、他社がまねできない強みを武器にシェアを拡大しているパッケージベンダーは少なくない。
今回紹介する、カシオヒューマンシステムズの「ADPS人事統合システム」(以下、ADPS)とその関連システムもその1つ。人事システムを中心に据えた製品ではあるものの、先駆者ならではの個性的な特徴を備えている。
ところで、給与パッケージは活用していても、人事管理にデータベースを十分活用できていないという企業は多いのではないだろうか。
「給与側はある程度システムとして構築されていても、経営に必要な人材情報を人事データベースという形できちんと把握し、管理している企業は意外に少ない」。このように語るのは、カシオヒューマンシステムズ 企画部営業企画室の室長を務める佐藤政弘氏。給与以外の部分、例えば評価を含めた人材情報のデータを取り出そうとした際に、給与システム単独からは満足なデータが取得できない問題に直面するという佐藤氏は、人材情報を正確に把握できる人事システムの重要性を訴える。
「人事部門の情報化が給与計算を主体に進められており、人に関する情報を扱う人事システムが遅れているという現状から、各企業の人事部門の意見を聞きながら誕生したのがADPS」(佐藤氏)
カシオ計算機では、20年以上前から人事・給与システムに特化したソリューションを開発している。その歴史は1990年に発売したUNIX版パッケージソフト「ADPS戦略人事統合システムI」からスタートする。その後も改良を重ね、1998年にはオープン環境に対応する「ADPS戦略人事統合システムPC版」がリリース。直感的な操作性と多彩なシミュレーション機能を武器に、業種・業態を問わず多くの企業が導入し、現在は1700社以上で活用されている。
これまでADPSは、カシオ計算機の人事ソリューション部門で開発から販売までを行っていたが、人事システムの強化のためにはサポート体制が必須との考えから、2009年10月にフィールドサポートを担当していたグループ会社のカシオソフトと組織を一体化して、カシオ計算機100%子会社のカシオヒューマンシステムズを設立。開発からサポートまでをワンストップで提供する製販一体の体制を組んだ。
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