2画面で使えるアプリはどれだけ登場するか
2画面スマホ「Surface Duo」は何の役に立つのか? Microsoft製のAndroid機
Microsoftの2画面スマートフォン「Surface Duo」はビジネス用途に適しているのだろうか。Surface Duo向けのアプリケーション開発は進むのだろうか。専門家の見解を示す。
Microsoftが2020年末の発売を計画している「Surface Duo」は、GoogleのモバイルOS「Android」搭載の折り畳み式2画面スマートフォンだ。Microsoftは同年1月22日(現地時間)にSurface Duo向けのプレビュー版ソフトウェア開発キット(SDK)をリリースした。
形状は斬新だが、Surface Duoに企業が飛びつくかどうかは分からない。専門家はSurface Duoについて「企業向けの製品としては有望だが、開発者が2画面の形状を支持するかどうかを判断するのは時期尚早だ」と指摘する。
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調査会社Forrester Researchのアナリスト、アンドリュー・ヒューイット氏は「企業にとって、中でも第一線で働く従業員にとって、Surface Duoの形状に使い道はある」との見方を示す。例えば片方の画面には在庫情報を表示して、もう片方には顧客情報を入力することができる。製造業ならば、一方に自社製品の診断プログラムのデータを、もう一方に診断スケジュールを表示するといった使い方が考えられる。
法律、プログラミング、教育といった分野のナレッジワーカーの場合は「話が別だ」とヒューイット氏は言う。ナレッジワーカーは、気が散る要素を少なくした方が、一般的には仕事をうまく進めやすい。2つ目の画面があるSurface Duoの場合、自分の作業に集中しにくくなる可能性がある。
調査会社Enterprise Strategy Groupの上級アナリスト、マーク・ボウカー氏は「GoogleのAndroidのエコシステムにMicrosoftが参入したのは興味深い」と指摘する。Microsoftのそれまでのスマートフォンは、Microsoftの独自OSを使っていた。
Surface Duoの「2画面」が生み出す用途
Surface Duoの新しい形状は、これまでは2台のデバイスが必要だと考えられてきた生産的な作業方法を可能にするポテンシャルがある。結果として製品寿命や持続可能性を引き上げることにつながる。
調査会社Gartnerの調査担当副社長、スティーブ・クレイハンズ氏は「開発者に早いうちから情報とツールを届けることは、Microsoftにとっての重要な一歩」だと位置付ける。ただし「Surface Duoがそうした開発者にうまく支持されるかどうかという判断は、現時点では純粋な推測にすぎない」と指摘する。
企業がSurface Duoで活用するアプリケーションを考えるに当たり、クレイハンズ氏は以下に示す3複数のアプリケーションの存在を考慮すべきだと説明する。
- 新しい形状に耐えられるアプリケーション
- 新しい形状に順応するアプリケーション
- 新しい形状のために構築されるアプリケーション
1つ目の「新しい形状に耐えられるアプリケーション」にとって望ましい状態は、起動時にクラッシュしないことだとクレイハンズ氏は考える。企業がSurface Duoの新しい形状で何ができるかを考えるのは、それからだというのが同氏の見方だ。その後、本体の発売から1~2年後には、この形状を使って他にはない体験やメリットを実現するアプリケーションが登場すると同氏は予想する。
2画面の形状は単なる希望的観測か
ヒューイット氏は、Surface Duoの2画面のメリットを活用したアプリケーションが少なくとも複数、発売時に提供されると予想する。同氏が指摘する通り、GoogleのクライアントOS「Chrome OS」を搭載したノート型デバイス「Chromebook」も最初のうちは、アプリケーションがChromebookのレイアウトにうまく適したデザインになっていないという苦情があった。Androidアプリケーションのほとんどはスマートフォンの画面向けで、ノートPCの横長の画面は意図していなかった。「Microsoftはその教訓から学んでいるはずだ」と同氏は言う。
2画面の形状に順応できるアプリケーションもあるだろうし、そうしたデバイス専用に設計されたプログラムも新たに登場するだろうとヒューイット氏は予測する。企業向けのSurface Duo販売を促進させるような専用アプリケーションはまだ予測できないとも同氏は言い添える。
「企業向けアプリケーション開発者は、Samsung Electronicsのハードウェアに順応したようなやり方でSurface Duoに順応する可能性がある」とボウカー氏は予想する。既存のアプリケーションに手を加えて機能性の強化を図り、デバイスとの親和性を高めるやり方だ。
「もしもSurface Duoが出だしで大きくつまずくことがあれば、2画面を活用するアプリケーションは実現しないと考えられる」とクレイハンズ氏は指摘する。「Surface Duoが完敗するとは考えられない」と同氏は述べた上で、「業界にはかなりの希望的観測と、創造的なアイデアがセットで存在している」と語る。
Surface Duoは従業員にとってのユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させる可能性があるとクレイハンズ氏は言う。ただしどんな製品にも言えることだが、初期費用が足かせになる。「実際のところ、1つの小さな画面に何もかも詰め込もうとするよりも、2画面の方が作業の流れは改善する」と同氏は話す。Surface Duoを1~2年の間浮上させておくにはそれだけでも十分だ。ただし、その後は弾みをつける必要があり、開発者にSurface Duoを有効活用してもらう必要がある」とクレイハンズ氏は話す。
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