クラウドニュースフラッシュ
国内パブリッククラウド市場が1兆円規模に、新型コロナでDaaSも急拡大か
企業や自治体が重要なシステムをクラウドに移行する動きが広がっている。それを象徴するクラウド関連の主要なニュースを紹介する。
組織の重要なシステムをクラウドに移行する動きが広がる中、民間企業だけでなく自治体や政府機関が必要とする高度なセキュリティ基準を満たすクラウドサービスを提供する動きが広がりつつある。本稿は金融機関のクラウド移行事例から、自治体や政府機関向けの新たなクラウドサービス、クラウド市場の動向など、クラウドに関する主要なニュースを6本取り上げる。
福井県基盤の福邦銀行が「IBM Cloud」にシステム移行
移行対象のシステムは、自行のサーバで運用していた財務管理や総務など、業務ごとに細分化して構築したオープン系システム。新システムは2020年6月30日に稼働開始する。同行との包括提携を決定した福井銀行が先んじてオープン系システムをIBM Cloudに移行しており、両行のシステム運用を連携させることで、コスト削減など効率化につなげる狙いがある。IBM CloudでVMwareの仮想化製品を使ったインフラを構築する「VMware on IBM Cloud」を利用する。(発表:日本アイ・ビー・エム<2020年3月13日>)
国内パブリッククラウドは1兆円市場に、基幹系の移行が進む IDCが予測
調査会社IDC Japanの調査によれば、国内のパブリッククラウド市場規模は2019年に2018年比22.9%増の8778億円となった。2020年には1兆円の大台を超えると同社はみる。2019年は特に顧客向けサービスのITインフラとして、IaaS(Infrastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)の導入が進んだという。今後のパブリッククラウド市場は、市場規模が拡大したことで前年比成長率は徐々に低下する。従来クラウドへの移行は情報系システムを中心に進む傾向にあったが、この動きに加え、基幹系システムのクラウド移行も進むとIDCは予測している。(発表:IDC Japan<2020年3月18日>)
サーバを自社の近くで利用可能 NTTドコモが通信網活用のクラウドサービス
同社はサーバやストレージを移動体通信網に配備して、エンドユーザーにより近い場所で利用できるようにするMEC(Multi-access Edge Computing)の仕組みを使ったクラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」の提供を開始した。低遅延の通信を実現する他、画像認識や映像伝送など、同社独自の技術に基づく機能を順次提供する。2020年3月25日に東京拠点での運用を開始した。これに加え、同年5月下旬以降に神奈川、大阪、大分に拠点を開設するとともに、5G(第5世代移動体通信システム)を使って接続端末とクラウドサービス間の低遅延の通信を実現する「クラウドダイレクト」を提供開始する。(発表:NTTドコモ<2020年3月18日>)
富士通が政府向けクラウドを提供へ サーバ専有型など3タイプを用意
パブリッククラウド「FUJITSU Cloud Service for OSS」をベースに、中央省庁と関連機関の情報システムに必要な安全性基準を満たすための機能を実装したクラウドサービスを提供する。クラウド管理機能とサーバを共有する「サーバ共有型」、クラウド管理機能を共有してサーバを省庁ごとに専有する「サーバ専有型」、クラウド管理機能とサーバを専有する「完全専有型」の3タイプをそろえる。2020年5月に提供開始。同社は2022年度末までに、中央省庁と関連機関への100件以上の導入を目指す。(発表:富士通<2020年3月6日>)
政府セキュリティ基準に準拠、NTTデータが公共機関向けクラウド導入支援
提供開始した「Digital Community Platform」は、同社が官庁や自治体などの公共機関特有の要件に合わせて、クラウドサービスの選択と導入、運用を支援するサービスだ。パブリッククラウドやプライベートクラウド、これらを組み合わせたハイブリッドクラウドの構築・運用をマネージドサービスとして提供する。Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやMicrosoftの「Microsoft Azure」といったパブリッククラウド、NTTデータの金融機関向けクラウドサービス「OpenCanvas」などから選択できる。機器構成情報の提供など、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が定めた政府機関向けのセキュリティ対策の基準に準拠するための機能を用意する。(発表:NTTデータ<2020年3月16日>)
DaaS市場は2020年に約285億円規模、新型コロナが影響か ITRが予測
調査会社アイ・ティ・アール(ITR)がDaaS市場規模の推移と予測を発表した。同社によると2018年度の国内のDaaS(Desktop as a Service)市場の売上高は、2017年度比14.6%増の184億3000万円だった。従業員用PCのOSアップデートやセキュリティ対策などで生じる運用負荷を軽減するためにDaaSへ移行する傾向や、仮想デスクトップの環境をオンプレミスのVDI(仮想デスクトップインフラ)からDaaSに移行する動きが見られたという。同社はMicrosoftがDaaS市場に参入したことや、新型コロナウイルス感染症の流行により在宅勤務やWeb会議の環境整備が緊急性を増したことから、DaaS市場がさらに活性化し、2020年には市場規模が約285億円になると予測する。(発表:ITR<2020年3月24日>)
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