「5G」のタイプと注目機能【前編】
「ローバンド5G」「ミッドバンド5G」「ハイバンド5G」の違いは 3種の5Gを比較
「5G」は3つのタイプに分類できる。それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。
「5G」(第5世代移動体通信システム)には幾つかのタイプが存在することを知っているだろうか。タイプによって実現できる先進機能が異なるため、その違いを知っておくことが重要だ。
5Gは使用する周波数帯別に
- 低周波数帯の「ローバンド5G」
- 中周波数帯の「ミッドバンド5G」
- 高周波数帯の「ハイバンド5G」
の3タイプに分かれる。ネットワークベンダーであるCradlepointのリンジー・ナットウェル氏によると、それぞれの周波数帯の特性が各タイプの特徴の違いとして現われる。注目すべきは、企業のネットワークで応用可能な先進的な機能を各タイプが備えていることだ。
5Gの各タイプはアイスクリームの3つの味に例えると理解しやすい。ローバンドはバニラ味、ミッドバンドはチョレート味、ハイバンドはストロベリー味だ。それぞれの特徴を見ていこう。
ローバンド5G
ローバンド5Gは、移動体通信システムの周波数帯としては「4G」(第4世代移動体通信システム)や「LTE」(Long Term Evolution)、テレビ局・ラジオ局が使用する周波数に近い。米連邦通信委員会(FCC)は600~900MHzの周波数帯を利用する5Gをローバンド5Gとして分類している。昔から広く利用されていて、基本的で、なじみがあるという点でバニラアイスクリームと似ている。
変更履歴(2020年6月5日11時20分)
記事掲載当初、ローバンド5Gが利用する周波数帯を「600~900GHz」と記載していましたが、正しくは「600~900MHz」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。
昔から利用されている周波数帯だからといってローバンド5Gがこれまでの移動体通信システムと同じと言っているわけではない。ノットウェル氏によると、ローバンド5Gは4Gと比べて速度が速くなり、さらに電波の到達距離が長くなる可能性があるという。テレビが利用する周波数帯の一つとしてローバンド5Gに近い周波数帯があるのは、電波の到達範囲が広いからだ。
ローバンド5Gは電波の到達距離が長い半面、他のタイプの5Gほどデータ伝送速度が高速にはならない。高い周波数帯よりも帯域幅は狭くなり一度に伝送できるデータ量は少なくなるが、だからこそ遠くまでデータを届かせられる特徴がある。ノットウェル氏は「長所があれば短所もある。ローバンド5Gは帯域幅が狭い半面、到達距離と障害物を回避する性能に優れている」と語る。
ミッドバンド5G
ミッドバンド5Gはチョコレートアイスクリームに似ている。バニラ味のローバンド5Gより少し高度だが、注目度は他のタイプほど高くはない。FCCは2.5GHz、3.5GHz、3.7~4.2GHzの周波数帯をミッドバンド5Gに分類している。ノットウェル氏によればミッドバンド5Gの帯域幅はローバンド5Gよりも広い。
ローバンド5Gと比べて、ミッドバンド5Gはデータ伝送速度が速くなる半面、電波の到達距離は短くなる。ミッドバンド5Gの電波は建物など障害物の影響を受けやすいが、そのデメリットは次に紹介するハイバンド5Gほど大きくはない。
ハイバンド5G
ハイバンド5Gの特徴はローバンド5Gとは対照的で、電波の到達距離は短くなるがデータ伝送速度は超高速になる可能性が高い。5Gの特徴としてデータ伝送速度の高速性が誇張される場合が多いのは、ハイバンド5Gの特徴があるからだと言える。
FCCは24GHz、28GHz、37GHz、39 GHz、47GHzの周波数帯域を利用するのがハイバンド5Gであると分類している。ハイバンド5Gは高速なデータ伝送速度という目立った特徴を持つため、特徴的な味であるストロベリーアイスクリームに例えることができる。
ハイバンド5Gが利用する周波数帯は「ミリ波」とも呼ばれる。30~300GHzの周波数帯の電波が一般的にはミリ波として分類され、高速かつ大容量のデータ伝送が特徴だと言われている。5Gへの注目度が高いのは、このミリ波を使った通信が実現するからだと言っても過言ではない。
ただしミリ波にもデメリットがある。通信が可能な範囲は「Line of Sight」(見通し線:障害物がなく直線で到達できる範囲)に限られ、広い範囲に電波を届かせることは難しい。大雨が降るだけでもミリ波の妨げになる。到達距離が短いことはハイバンド5Gの最大の課題だ。「企業が5Gを有効に活用するには、基地局を適切に設置する必要がある」とノットウェル氏は話す。
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