5Gの弱点、電波の届きにくさは「スモールセル」(小型基地局)で解消する?新技術の課題

「5G」は高い周波数帯を利用することで通信の大容量化を実現できるが、5Gの電波はビル内に届きにくい場合がある。オフィスに5Gの「スモールセル」を設置することで問題を回避できる可能性がある。

2019年08月21日 05時00分 公開
[Andrew FroehlichTechTarget]
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 「5G」(第5世代移動体通信システム)は、革新的な技術であると考えられている。データ通信やデータ収集の在り方を刷新し、IoT(モノのインターネット)、高度なデータ分析、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連したプロジェクトを新たなレベルへと進化させる役割を担うと期待される。

 LTE(Long Term Evolution)を含む「4G」(第4世代移動体通信システム)と比べて、5Gはデータ伝送速度が速くなり、一度に伝送できるデータ容量が飛躍的に増大し、データ通信のレイテンシ(遅延)が大幅に低減する。モバイルデバイスやセンサーをはじめとしたIoTデバイスが、企業の社内LANに直接接続されているかのような高速なパフォーマンスを、5Gのネットワークはもたらす。

 ただし5Gには注意しなければならない点がある。こうした5Gの特徴を生かせるのは、5Gの電波が届く限りにおいてだ。米国では、通信事業者の大半が5Gのサービス提供開始に向け、初期のテストを実施している段階にある。現時点では、5Gの電波がどれだけのエリアをカバーできるようになるかについては不透明な部分が少なくない。

 商用サービスが本格化しても、特定のエリアや場所では5Gを利用できない可能性がある。遠隔地や巨大なビルの中では特にそれが懸念される。4Gまでの移動体通信システムでも、ビル内へ十分に電波を届けることは課題となっていたが、この問題は4Gよりも5Gで顕著になる可能性が高い。

ビル内の「スモールセル」で課題は解消するか

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