クラウド、5G、スモールセル、BYODなどによって、企業のネットワークインフラが完全になくなる可能性はあるだろうか。将来的になくなる可能性が大いにある。
数年前、筆者は「極度の仮想化」(EV=Extreme Virtualization)という考え方を提唱した。これは、企業のITインフラを、アクセスポイント、イーサネットスイッチ、WAN接続など、インターネット接続に不可欠な要素だけを残し、それ以外はなくす、という考え方だ。つまりサーバ、ストレージ、運用/管理ツールなどは全てクラウドを利用する。
ただし、この考え方に立ちふさがる技術的な問題が幾つかある。最大の障害は、インターネットサービスプロバイダー(ISP)接続のパフォーマンスだ。そのような課題は確かにあるが、それでも筆者はITインフラをアウトソーシングと仮想化によって極限まで縮小させることが、大企業を含め、企業のIT部門に求められる将来の理想的な形態だと考えている。
クラウドは、信頼性、拡張性、低コストといったメリットを、ネットワークにもたらすようになった。WANの伝送速度が向上し続けているため、EVは今後10年以内に実現する可能性がある。
そこでEVの考え方をさらに広げ、「究極の仮想化」(UV=Ultimate Virtualization)という考え方を提唱したい。UVは、ITインフラを全く必要としない。つまり、企業にはLAN、無線、その他ネットワークに関連するものは何も必要なく、オンプレミスのITインフラとしてはユーザーが仕事をするために持ち込むデバイスだけが存在する。
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