“クラウド破産”の理由と対策【前編】
“クラウド破産”はなぜ起こるのか? 利用料金が想定外に高くなる理由
クラウドサービスを使っていると、利用料金が想定していたよりも高額になることがある。なぜこうしたことが起こり得るのか。
仮想マシンやストレージなどのハードウェアをサービスとして利用できる「IaaS」(Infrastructure as a Service)、データベース管理システム(DBMS)やWebアプリケーションサーバなどのミドルウェアをサービスとして利用できる「PaaS」(Platform as a Service)などのクラウドサービスを導入するときに、検討すべき事項の一つが利用料金だ。想定していたよりも高額な利用料金が発生するといった「失敗」は、なぜ起こるのか。
利用料金が高額になるケースとして、クラウドストレージでテラバイト単位やペタバイト単位の膨大な量のデータを管理する場合が挙げられる。外部システムへのデータの送信に対して課金するクラウドストレージの場合、構築したアプリケーションを他のクラウドサービスやオンプレミスのITインフラに移行するときに、想定外に高額な利用料金がかかることがある。こうした例以外にも利用料金が高額になるケースがあり、注意すべき点は少なくない。
クラウドサービスの利用料金が想定外に高くなる理由
クラウドサービスの利用料金が想定外に高くなる大きな理由の一つとして、日本IBMで「クラウドマイスター」の肩書を持つ安田智有氏は、利用料金が見積もりづらい点を挙げる。オンプレミスのITインフラに導入するIT製品であれば、製品価格や導入・運用にかかるコストはある程度固定化しているので、これらのコストを基に一定期間のトータルコストを見積もることができる。一方でクラウドサービスの利用料金は、使えば使うだけ右肩上がりに増加するため、長期的な利用料金の見積もりが難しい。
実効的なスペックの分かりにくさが、クラウドサービスの利用料金増加の原因となることがある。クラウドベンダーごとにデータセンターで導入するサーバやストレージといったハードウェア、ハイパーバイザーをはじめとするミドルウェアの組み合わせは異なる。そのため仮想CPUの数やメモリ容量といった、表面的なスペックの近しい複数のクラウドサービスで同じアプリケーションを動かしたとしても、処理速度が同じとは限らない。アプリケーションが必要とする処理速度が出ない場合は、より高いスペックのメニューやクラウドサービスに変更する必要があり、結果として利用料金が高くなる可能性がある。
クラウドベンダーの中には頻繁にデータセンターのハードウェアを更改するベンダーもあれば、データセンターで使用している具体的な製品を詳しく開示していないベンダーもある。そのため安田氏は「ユーザー企業はそれぞれのクラウドサービスで実際にアプリケーションを動かしたときの処理速度を踏まえて、利用料金を見積もる必要がある」と説明する。
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“クラウド破産”の理由と対策
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