医療IoTのリスクと対策【前編】

ペースメーカー停止の恐れも 「医療IoTセキュリティ」を無視できない理由

インターネット接続が可能な医療機器は進歩を続けている。普及するほどサイバー攻撃者に狙われるリスクも増す。医療IoTを標的とした侵害事例を振り返り、医療IoTセキュリティの重要性を理解する。

 患者の安全を過度に脅かさず、インターネット接続が可能な医療機器のメリットを生かすには、医療機関はバランスの取れた慎重な行動をする必要がある。

 医療機関と患者が病院内のネットワークに持ち込むデバイスが多様化している。IoT(モノのインターネット)の技術は、患者のケアと医療施設の機能向上に貢献してきた。だがIoT技術の成長とともにサイバー脅威も増加する。

 IoT技術を実装したデバイス(以下、IoTデバイス)は医療現場において、次のような用途で活用されている。

  • 入院患者や外来患者のモニタリング
  • 医療機器の資産管理
  • 空調設備システムや照明の自動管理

 インターネットに接続できる医療機器は業務効率を向上させ、結果として患者や医療従事者の生活を改善する。ただしサイバー攻撃を受ける可能性を広げてしまうのも確かだ。

 調査会社451 ResearchでIoTのリサーチディレクターを務めるクリスチャン・ルノー氏は「攻撃側は以前より賢くなっている」と話す。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行しているさなか、同社は医療機器に対する攻撃が急増していた状況を調査によって認識していた。増加しているのはIoTデバイス全般に対する攻撃だが「中でも医療業界での増加は顕著だ」とルノー氏は強調する。

患者の命を左右する医療IoTセキュリティ

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