「NewSQL」とは何か【前編】
いまさら聞けない「ACID特性」「オンライントランザクション処理」(OLTP)の基礎
DBMSの新たな選択肢として浮上した「NewSQL」とは何なのか。それを探るために、NewSQLが備える「ACID特性」と、NewSQLが力を発揮する「オンライントランザクション処理」(OLTP)をおさらいしよう。
「データベース管理システム」(DBMS)製品の勢力図を構成するのは、もはや「リレーショナルDBMS」(RDBMS)製品だけではない。特定用途の要件を満たす専用製品や、広範な用途を対象にする汎用(はんよう)的製品まで、さまざまな選択肢が存在する。その中で新たな選択肢として浮上してきたDBMS製品が「NewSQL」だ。
NewSQLが力を発揮するのは、処理の速さと遅延の低さ、スケーラビリティの高さを実現する必要のある「オンライントランザクション処理」(OLTP)だ。RDBMSが備える「ACID特性」の保証と、RDBMSではないDBMS「NoSQL」のスケーラビリティを組み合わせることで、OLTPの要件を実現する。
ACID特性とは
ACID特性は、以下4種類の特性を示す。
原子性(Atomicity)
1つのトランザクションが内包する全ての処理を1つのタスクとして捉え、全て実行するか、全て実行しないかのどちらかの結果になることを保証する特性が「原子性」(Atomicity)だ。1つのトランザクション中の一部処理だけを実行することは許可しない。
一貫性(Consistency)
データベース内の全データの整合性を維持することを保証する特性が「一貫性」(Consistency)だ。トランザクションでデータの変更が発生しても、預金口座が負の値になるといった矛盾が生じないようにする。
独立性(Isolation)
同時に実行されたトランザクションが相互に干渉しないことを保証する特性が「独立性」(Isolation)だ。トランザクションの処理過程が外部から見えないようにする。
永続性(Durability)
アプリケーションやデータベースの障害から、トランザクションの結果を保護することを保証する特性が「永続性」(Durability)だ。障害発生時点でコミット(トランザクションの結果を確定させること)ができていない処理は、全てロールバックする。
OLTPとは
OLTPの例としては、小売店での精算処理がある。レジ担当者が商品のバーコードをスキャンすると、システムがデータベースにアクセスし、価格などのデータを取得する。次に商品が顧客に購入されたことを記録し、商品の在庫数を更新する。この一連の処理がトランザクションだ。トランザクションにかかる時間を短くし、できるだけ迅速にデータベースを更新しなければならない。
システムの可用性とパフォーマンスがOLTPの鍵だ。大量のトランザクションを処理できること、データの変更を可能な限り迅速かつ永続的に保持できることも重要な要件になる。
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