Web会議の録画データとプライバシー問題【後編】
プライバシーを侵害しないための「Web会議」録画データの扱い方
Web会議ツールは、録画データに関するプライバシー対策という課題を企業に突き付ける。一部の業種や法令が設けているデータの取り扱いに関する制約は、録画データの運用にどう影響するのか。
Web会議ツールでのWeb会議の録画が終わったら、録画ファイルをどうするか、どのくらいの期間保管するのかを決めなければならない。それに先立って企業は、Web会議ツールの機能を知っておく必要がある。
コンサルティング企業Biz Technology Solutionsの共同創業者レダ・シュファーニ氏は、医療機関を対象にコンサルティングを実施している。同氏は「録画データも他の医療関連データと同じように扱う」と話す。
Web会議のプライバシー問題はこう回避する
「あなたが投資に関するブローカー(仲介業者)やアドバイザーである場合、所属企業にはあなたの発言を監督する義務がある。あなたが誤ったことを言っていないかどうか、投資対効果に関して度が過ぎた約束をしていないかどうか、企業が目を光らせて確認している可能性がある」。調査会社Forrester Researchで首席アナリストを務めるシェリル・マッキノン氏はそう指摘する。
投資のブローカーやアドバイザーを雇用する企業は、彼らの業務を監視するために会話を傍受して録画データを取得している場合、訴訟に備えてその録画データをいつまで保持すべきかを判断しなければならない。データの保管ポリシーは企業や業種によって異なり、そのポリシーは動画ファイルにもそのまま当てはまる。金融や保険といった規制が厳しい業種には法的要件があり、情報の記録で生じ得るリスクを最小限に抑えることが必要になる。そうした場合に何を記録すべきかを判断することは簡単ではない。
Web会議を録画する場合、録画に関して他の会議参加者の承諾を得る必要がある。カリフォルニア州など、会議を録画する主催者に対し、他の参加者に録画の許可を求めたり、録画中であることを通知したりすることを義務付けている地域もある。会議の主催者にとっては、録画ボタンを押す前に、参加者がそうした地域にいるかどうかを認識しておくことが大切だ。
プライバシーに関する法令として、欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR)や、米国の「カリフォルニア州消費者プライバシー法」(CCPA)についても知っておかなければならない。マッキノン氏によると、顧客の個人情報や財務情報、患者の情報といった機密情報を扱うWeb会議を録画する際、その関係者との取引が終わった時点でその情報を削除することが法令で義務付けられていないかどうかに注意する必要がある。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、企業に新たな働き方を迫っている。この局面を切り抜ける一助として「Web会議ツールは欠かせない」とマッキノン氏は語る。「企業が正しい選択をできるよう、機密情報のガバナンスや録画データに関するリスクの管理が必要になるだろう」(同氏)
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