新型コロナによる影響もあるが……
「中古スマホ」爆売れの訳 10万円超え新品は“お金持ちの道楽”に?
中古スマートフォン市場が活況だ。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる失業の増加が関係しているという見方もあるが、新型スマートフォンの機能と消費者ニーズとのギャップを原因として指摘する声もある。
専門家によると、スマートフォンの中古市場が活性化している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)による経済悪化が、中古スマートフォン市場の活性化を招いた一因だ。ただし原因は他にもある。
パンデミックで米国内のさまざまな企業が休業や廃業に追い込まれた。米議会調査局(CRS:Congressional Research Service)の調査によると、2020年12月の失業率はパンデミック前の同年2月(約3.5%)の2倍近くとなる約6.7%に上昇した。金融情報を提供するBankrateが実施した2020年12月の調査では、想定外の出費として1000ドルを支払う余裕があると回答した米国人は約39%だった。
調査会社IDCによると、2020年は中古スマートフォンの世界出荷台数が約2億2540万台になり、前年の約2億650万台から約9.2%増加した。2024年までには3億5160万台に達すると同社は予想する。一方で同社の調べでは2020年のスマートフォン全出荷量は約12億9220万台で、前年の約13億7260万台から約5.9%減少した。「スマートフォンは中古で十分だ」と考える人が増えたと言える。
中古スマホが売れてしまう“新型コロナより深刻な理由”
消費者は新品を購入する意義を考え直し始めている。AppleやSamsung Electronicsなどのスマートフォンベンダーが、1000ドル(約10万円)を超える価格の機種を相次いで市場投入していることが背景にある。消費財の市場調査を手掛ける非営利団体Consumer Reportsのテクノロジーライター、ブリー・ファウラー氏は「スマートフォンの価格が1000ドルを超えたことで、消費者は『本当に必要な機能は何か』を考えるようになったのではないか」と語る。
中古スマートフォンの人気拡大と同時にGoogleの「Pixel」シリーズやAppleの「iPhone SE」、Samsungの「Galaxy A」シリーズなど、ミドルレンジやローエンドのスマートフォンも人気を集めている。旧機種を長く使い続ける人もいる。「ほとんどの人は、通話の発信と受信、そこそこの品質の写真の撮影、メールとSMS(ショートメッセージサービス)のチェックさえできれば満足している。それだけなら1000ドルも出す必要はない」(ファウラー氏)
IDCのリサーチマネジャーを務めるアンソニー・スカーセラ氏は「スマートフォンベンダーが革新的な製品をもっと手ごろな価格で発売すれば、消費者も新品スマートフォン市場に戻ってくるはずだ」と語る。例えば5G(第5世代移動通信システム)による通信が可能なスマートフォンが400ドル台なら売れるだろう。新型の折りたたみ型スマートフォンももっと価格が低ければ人気が高まりそうだ。
「ハイエンドのスマートフォンは、平均的な消費者向けではないとしても、スマートフォンを『ステータスシンボル』として所有する層から十分な収益を獲得できる可能性が高い」。ボストン大学(Boston University)経営学教授のジェイ・ザゴースキー氏はそう語る。
一度も使わないような高機能を備えた高価なスマートフォンを買う理由は「最高時速200マイルの自動車に大金を投じるのと同じだ」とザゴースキー氏は指摘する。「新型iPhoneやSamsungの新しい折りたたみ型スマートフォンを持っていれば『1000ドル以上もするスマートフォンを買える』ことを友人や家族や知り合いに示すことができる」(同氏)
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