「SD-WAN」の基本から活用例まで【第2回】

「SD-WAN=ローカルブレークアウト手段」は昔話? テレワークで起きた変化とは

「SD-WAN」がまず注目された理由は、特定のクラウドサービスのローカルブレークアウトができるからだった。テレワークの普及で、SD-WANへのニーズが変化している。どう変わったのか。

 各種のWANを仮想化し、一元的な運用を可能にする「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)のメリットは多様だ。国内ではどのような利用の傾向があるのだろうか。「国内でまずSD-WANが注目されたのは、ローカルブレークアウトがきっかけだった」と、アイ・ティ・アール(ITR)のプリンシパル・アナリスト、甲元宏明氏は説明する。ただしテレワークが普及することで、状況に変化が見られるという。

“ローカルブレークアウトだけ”を実践する場合

 SD-WANの活用において企業が注目してきた用途の一つである「ローカルブレークアウト」(または「インターネットブレークアウト」)は、拠点からデータセンターを介さずに直接インターネットに接続する手法を指す。これが必要になった背景について、甲元氏は「従来のデータセンターはインターネットを例外的に扱ってきた。クラウドサービスへの接続を前提にした設備にはなっていない」と説明する。

 自社サーバで運用する従来の業務システムは、拠点間を接続するIP-VPNなどの閉域網を使うことが一般的だったため、企業はインターネット接続を特に重要視してこなかった。そのため「Microsoft 365」(Office 365)をはじめとするクラウドサービスに多くの従業員が接続するようになると、プロキシサーバやファイアウォールなどの機器に接続が集中し、正常にさばき切れない問題を引き起こす。こうして「クラウドサービスの接続が遅い」という状況が発生する。

 この点で企業がSD-WANに注目したのは、DPI(Deep Packet Inspection)というアプリケーション識別の機能を使い、特定のクラウドサービスへの接続だけを、拠点からインターネットに向かわせる制御ができるからだった。これがローカルブレークアウトだ。

テレワーク普及でSD-WANの役割にも変化

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「SD-WAN」の基本から活用例まで

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