AWSとAzure、GCPの「無料枠」を活用する【中編】
無料のAWS、Azure、GCPサービスの違いを比較 お得に利用する方法とは
AWSとMicrosoft、Googleは、新規ユーザーと既存ユーザー向けにそれぞれ「無料枠」を用意している。両社の無料枠の共通点と違い、使いこなすためのポイントを詳しく説明する。
幾つかのクラウドベンダーは、ユーザーに自社のサービスを試してもらうために、クラウドサービスの無料枠を用意している。こうした無料枠の提供形態はクラウドベンダーやクラウドサービスによって異なるため、注意が必要だ。無料利用の条件を厳しく設定するベンダーがあれば、豊富な無料サービスを用意するベンダーもある。前編「無料でAWS、Azure、GCPが使えるクラウド2大『無料枠』とは? 利用条件は」に続く本稿は、大手クラウドベンダーのAmazon Web Services(AWS)とMicrosoft、Googleについて、それぞれのクラウドサービスの無料枠を比較する。
併せて読みたいお薦め記事
AWSとAzureの導入コスト
クラウド導入時のコスト
無料で使えるAWSサービス
AWSサービスは総じて、利用開始後すぐには課金対象にはならない。どのユーザーでも利用できる「Always Free」(常に無料)の無料枠と、AWSの新規ユーザーが12カ月間利用できる「12 Months Free」(12カ月間無料)の無料枠、短期の「Trials」(トライアル)無料枠を用意する。
長所
新規ユーザー向けの12カ月間無料の無料枠において、AWSは仮想マシン(VM)サービスの「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)やストレージサービスの「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)などの代表的なAWSサービスを一定の条件で無料利用できるようにしている。他のさまざまなAWSサービスも短期のトライアルで網羅する。トライアルは特定のサービスをアクティベート(有効化)した時点から始まる。これらの無料枠は、さまざまなAWSサービスを安全かつ手ごろなコストで試す機会を提供する。
注意点
常に無料の無料枠は、主にインフラの運用とメンテナンスに関連するAWSサービスが中心だ。例えばその中に含まれるインフラ監視やアプリケーション構造評価に利用するためのAWSサービスは、AWSを新たに試したいユーザーよりも、既にAWSサービスを大規模に導入しているユーザー向けとなる。
無料で使えるAzureサービス
AWSと同様に、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」も、新規ユーザーを対象とした「12 months」(12カ月間)の無料枠と、全てのユーザーを対象とした「Always free」(いつでも無料)の無料枠を用意している。ユーザーはこれらの無料枠を利用することで、一定の条件を満たすAzureサービスを無料で利用できる。AzureがAWSと大きく違う点は、サインアップしてから最初の30日間利用できる200ドル分のクレジットを提供する点だ。これにより無料枠を用意していないAzureサービスでも、ユーザーが試せるようにしている。
長所
Azureの12カ月間無料枠は、「Windows」と「Linux」の両方の仮想マシンを使用する場合、特に役立つ。AWSの無料枠は、使用OSにかかわらず、仮想マシンを12カ月間、毎月計750時間利用できる。これに対しAzureの無料枠は、Linux仮想マシンとWindows仮想マシンの両方を、いずれも12カ月間、毎月750時間利用できる。
注意点
AWSと同様に、Azureのいつでも無料の無料枠で利用できるサービスは、Azureの既存ユーザーを主な対象としている。ユーザーは仮想ネットワークサービスの「Azure Virtual Network」やセキュリティ対策サービスの「Azure Security Center」などの一部の機能を無料で利用できる。
無料で使えるGoogle Cloud Platformサービス
Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)は無料枠として、全てのユーザーに対して20種類以上の対象サービスを一定の条件で、無料で利用できるようにしている。この無料枠の利用期間は無期限だ。新規ユーザー向けに、登録後90日間利用できる300ドル分のクレジットを提供し、「無料枠」の対象外のGCPサービスも試せるようにしている。
長所
ユーザーが無料枠で利用できるGCPサービスは、競合クラウドベンダーのサービスよりも多岐にわたる。特に多様な機械学習サービスを無料枠に含むことが大きな特徴だ。コンピュータビジョンから自然言語処理まで、人工知能(AI)技術関連のクラウドサービスを無料で試したいユーザー向けに、豊富な選択肢を用意している。
注意点
Googleは、新規ユーザーが一定期間利用できる無料枠を提供していない。そのために新規ユーザーは、計画的にクレジットを使用する必要がある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
「IBM iはDXのボトルネック」は誤解 意外と知らない今風モダナイズの効果
-
9
「朝8時にバッチが終わらない」データ爆発の危機をJPX総研はどう乗り越えたか
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー