クラウドサービスの利用料金は安くない。自社に合わないクラウドサービスを使って失敗するのを防ぐためにも「利用前に試す」ことが重要になる。その際に役立つのが「無料枠」の存在だ。どのような無料枠があるのか。
プログラミング言語やOSなど、アプリケーションを開発するときに選択すべき事柄は無数にある。最初にする選択が、プロジェクトの成長やスケーラビリティに後々まで影響する。中でも重要度の高い項目の一つが、どのクラウドサービスを利用するかだ。
各クラウドベンダーは自社のクラウドサービスの強みを主張する。しかし各社のクラウドサービスの安定性や可用性、提供サービスの種類は、ある水準まではそこまで変わらない。
企業は、最初から1社のベンダーと長期的な取引関係を構築しようとする傾向がある。これは昔からのIT製品調達と同様だ。適切なクラウドサービスを選ぶには、これとは異なるアプローチが必要になる。
「長期にわたって自社のニーズを最も満たすクラウドサービス」なのかどうかを、企業はどう判断すればよいのか。その判断をするには、各クラウドサービスを試す必要がある。
当然のことながら無計画にサービスを試すと、たちまちコストがかさむ。企業は無料枠を利用して、各クラウドサービスの特徴や機能を理解できる。
幾つかのクラウドベンダーは無料枠を提供している。気前の良いベンダーもあれば、それほどでもないベンダーもある。こうした無料枠は通常、新規ユーザー向けと全てのユーザー向けに分かれる。以下に無料枠の主な提供形態を説明する。
クラウドベンダーは大抵、新規ユーザーが一定期間、特定のクラウドサービスを制限付きで、無料で利用できるようにしている。例えばAmazon Web Services(AWS)は、新規ユーザーがAWSにサインアップした日から12カ月間、所定のスペックの仮想マシン(VM)を毎月750時間利用できるようにしている。
新規ユーザーは他にも、最大30GBのブロックストレージなど、AWSの全クラウドサービスのうち複数サービスを一定の条件で12カ月間、無料で利用できる。こうした無料枠は新規ユーザーにとって、クラウドサービスを試す動機となる。
クラウドベンダーは全てのユーザーに対して、特定のサービスを一定の条件を満たせば無料で利用できるようにすることがある。「イベント駆動型コード実行サービスへのリクエストを一定回数まで発行できる」「特定GBのストレージを利用できる」など、いずれも既存ユーザーに、今まで利用してこなかったクラウドサービスを試す機会を提供する狙いがある。
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