パブリッククラウド利用において長期的な“約束”にはどのような意味があるだろうか。インスタンスの利用を長期で予約する際、AWS、Microsoft、Googleの料金体系にはどのような違いがあるのか、詳しく見てみよう。
Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Googleのパブリッククラウドベンダー3社はいずれも、将来的なパブリッククラウド利用に向けて仮想マシン(VM)インスタンスを予約(リザーブ)する顧客に割引を提供している。各社が「リザーブドインスタンス」と呼ぶこうしたインスタンスの特徴は重複する部分があるものの、大きな違いもある。
リザーブドインスタンスは、パブリッククラウドベンダーが提供する料金帯の選択肢の中では中間に位置する。一般的な「オンデマンドインスタンス」の料金よりは安価だが、ユーザーの入札により料金が決まる「スポットインスタンス」よりは高額になる。
こうした選択肢を比較すると、オンデマンドインスタンスは最もコストの高い選択肢だが、顧客を契約期間で縛ることはなく、最も柔軟性に優れている。スポットインスタンスを利用すると、パブリッククラウドベンダーで使われていないコンピューティングリソースを割安で利用できる。オンデマンドインスタンスよりも90%程度も安くなることもある。だがスポットインスタンスは、パブリッククラウドベンダーによって強制的に終了させられる恐れがある。
リザーブドインスタンスの料金はオンデマンドインスタンス料金よりも30〜60%安く設定されるのが一般的だ。最大80%の割引になると説明しているパブリッククラウドベンダーもあるが、実際にその割引率が適用されることはないと考えていい。そのレベルの割引を受けるためは、3年契約を交わし、特定のリージョン(拠点)で特定のインスタンスサイズ(スペックに応じたインスタンスの分類)を選択し、適切なOSを運用する、といった特殊な条件が必要なためだ。
とはいえ、こうしたリザーブドインスタンスの契約でコスト削減できるユーザー企業もある。ワークロード(システム)のリソース需給があまり変動せず、一定のスケジュールでワークロードを運用できる企業がその例だ。「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」(GCP)のリザーブドインスタンスの料金について具体的に見ていこう。
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