米ニューヨークを拠点とする調査会社451 Researchは、自社の経営に関与できる権限を持つ、幹部クラスのIT部門長150人を対象にした調査を実施した。その集計によると、回答者の41%が、プライベートクラウドインフラはパブリッククラウドよりも安価だと考えていた。これは仮想マシン(VM)でシステムを動作させる前提での数字だ。中には劇的な効果を経験した会社もある。パブリッククラウドに構築していた環境をプライベートクラウドに移行させたことにより、運営費用が50%以上も削減できた企業が9%存在した。
前回2016年の同調査では、プライベートクラウドがパブリッククラウドよりも安価に運用できる損益分岐点が明らかになったと、451 Researchでアナリストを務めるオーウェン・ロジャース氏は話す。ただし、その損益分岐点を超えて費用面でプライベートクラウドがパブリッククラウドを上回ることができた企業がどれだけ実在したかは解明できなかった。
「2016年の時点ではプライベートクラウドを使用して理想的な経済状態になったユーザーがどれだけいたのか、はっきりした答えは出せなかった」と同氏は語る。
しかし、結果は驚くべきものだった。パブリック対プライベートのコスト比較で、プライベートの方が安価だと答えるのは回答者のせいぜい10〜20%だろうとロジャース氏は予測していた。実際に確認してみると、その値は同氏の予測の2倍となっていた。
実は少なくない企業がプライベートクラウドのコストをつぶさに監視している。そうした企業は、スプレッドシートやVMwareのクラウド管理基盤「VMware vRealize Suite」、業務管理ソフトウェアを開発するApptioの同名システムなどで、主要業務指標(KPI)を手作業で追跡している。追跡の効率をどうにか向上させるため、サーバ管理ツールの「Chef」やシステム管理ツールの「Puppet」を導入する企業も少なくない、とロジャース氏は明かす。
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