顧客体験を向上させるホテルの切り札
ホテルが「Wi-Fi 6」無線LANで実現した“宿泊客もIT担当も喜ぶ仕組み”とは?
歴史的建造物を利用するホテルHard Rock Hotel Amsterdam Americanは、「Wi-Fi 6」準拠の無線LAN製品と管理ツールを導入し、宿泊者の利便性向上とITチームの負荷軽減を両立したという。どういうことなのか。
欧州各国が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のために実施していたロックダウン(都市封鎖)を解除し、市民は再び旅行ができるようになった。最初にその恩恵を受けるとみられるのは、航空業界とホテル業界だ。
音楽をテーマとしたホテルチェーン、Hard Rock Hotelに属するオランダ・アムステルダムのHard Rock Hotel Amsterdam Americanは、ネットワーク機器ベンダーExtreme Networksの無線LAN製品を導入した。無線LANの最新規格である「IEEE 802.11ax」(業界団体Wi-Fi Allianceによる表記は「Wi-Fi 6」)に準拠した無線LANを構築し、再び増え始めた宿泊客の顧客体験の向上を目指している。
新たな無線LANで実現した“宿泊客もITチームも喜ぶ仕組み”とは
併せて読みたいお薦め記事
「ホテルIT」で顧客体験を向上
身につけておきたい「Wi-Fi 6」の基礎知識
ホテル業界では無線LANの需要がかつてないほど高まっている。宿泊客や従業員がモバイル端末を使ってインターネットに接続することが当たり前になったからだ。Hard Rock Hotel Amsterdam Americanもその例外ではない。
Hard Rock Hotel Amsterdam Americanはアムステルダム市内でも屈指のアールヌーボー様式(植物や曲線が特徴的な芸術様式)の建築物を利用し、歴史的な雰囲気を醸し出している。同ホテルは建物の建設上の問題で従来型ネットワーク機器の設置が難しく、これまで信頼性の高い無線LANを構築できなかった。他方で宿泊客によるルームサービスの注文やチェックアウトの手続き、ホテルによる客室清掃の管理など、さまざまなところでデジタル化の需要が高まり、無線ネットワークの強化は急務だった。
その情勢下にあってHard Rock Hotel Amsterdam Americanは、Extreme NetworksのWi-Fi 6準拠の無線LANアクセスポイント「ExtremeWireless」と、クラウドサービス形式のネットワーク管理ツール「ExtremeCloud IQ」を導入。オランダのネットワークベンダー、DWE ICTと共に無線LANを構築した。同ホテルは新しい無線LANにより、安全で安定した無線LAN接続を実現するとともに、ITチームのネットワーク管理作業をシンプルにした。
Hard Rock Hotel Amsterdam Americanは屋内外の敷地全体に無線LANアクセスポイントを設置し、宿泊客や従業員がホテル内のどこにいてもインターネットに接続できるようにしている。以前と比べ、無線LANトラブルに関する問い合わせが大幅に減ったという。同ホテルは新しい無線LANを活用し、ITで宿泊客の健康状態を管理したり、安全対策を図ったりして、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染予防にもつなげている。
新しい無線LANの導入に合わせ、Hard Rock Hotel Amsterdam Americanはネットワークを一元管理できるExtremeCloud IQを採用した。ネットワーク全体を可視化し、接続する端末の管理や保守の作業を簡素化している。ExtremeCloud IQは、宿泊客がどのような端末でネットワークにアクセスし、どのようなアプリケーションを使っているかを監視。それに応じてネットワークの最適化を支援する。
遠隔からネットワークを管理、ITチームのストレスを軽減
Hard Rock Hotel Amsterdam American のITチームは少人数だ。ExtremeCloud IQにより、ITチームのスタッフは同ホテルの無線LANを遠隔から管理できるため、各無線LANアクセスポイントに出向かなくても不具合に迅速に対処できる。人工知能(AI)技術によって不具合の原因についての情報を蓄積することも可能になった。トラブルシューティングやネットワークの安定性向上のために、こうした情報を活用できる。
「運営方針で最も重視しているのは、顧客に『最高のホテル体験』を提供することだ」と、Hard Rock Hotel Amsterdam Americanの総支配人を務めるクレア・バン・キャンペン氏は説明する。快適に使える無線LANは、その実現に「欠かせない」とバン・キャンペン氏は述べる。新しい無線LANによって、宿泊客は高速なインターネット接続ができ、家族や友人、職場の人と簡単にコミュニケーションが取れるようになった。「ネットワーク管理のシンプル化で、ITチームのストレスも減った」(同氏)という。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー