オフィスワーク再開に役立つ「ワクチンパスポート」の今【中編】
新型コロナ「ワクチンパスポート」で無視できないプライバシー問題と解決策
COVID-19の「ワクチンパスポート」を利用する場合、企業が注意すべきなのが「プライバシー」の問題だ。どのような問題があり、どう対処すればよいのか。アナリストの知見を基に解説する。
企業がオフィスワークを再開するために役立つ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「ワクチンパスポート」(ワクチン接種証明書)には、さまざまな選択肢がある。企業にとっては「まずは従業員からどのようなデータを取得するかのポリシーを策定することが先決だ」と、調査会社Forrester Researchのプリンシパルアナリストであるハイディ・シェイ氏は語る。
併せて読みたいお薦め記事
ベンダーのプライバシー管理問題
個人情報管理のヒント
ワクチンパスポートを利用するなら見逃せない「プライバシー」問題
ワクチン接種データは個人情報を含む可能性があり、プライバシー保護と規制の要件を考慮しなければならない。例えば「従業員のワクチン接種状況の確認に必要な最小限のデータのみをワクチンパスポートから取得する」といった基準を決める必要がある。
オフィスへの出勤を再開することが目的であれば、「ワクチンパスポートから多くのデータを取得する必要はなく、ワクチンを接種済みか、未接種かが分かるデータだけで十分だ」というのがシェイ氏の考えだ。「取得するデータを決めたら、それをどのように保存し、保護するかも考える必要がある」とも同氏は指摘する。
Forrester Researchのシニアアナリストであるアラ・バレンテ氏は、会社の福利厚生として従業員にインフルエンザワクチン接種を実施している企業にはアドバンテージがあると考える。バレンテ氏によると、インフルエンザワクチン接種データの管理用に整備済みのデータ収集プロセスや保存プロセスをCOVID-19のワクチン接種データにも利用できる可能性がある。
不明点が残るCOVID-19のワクチン
COVID-19のワクチンに関しては、まだ分からないことが複数ある点も考慮しなければならない。原稿執筆時点では、ワクチンの効果持続期間は十分に明らかになっているわけではない。1、2回接種すれば予防効果がしばらく続くのか、それとも定期的な接種が必要なのかも断言できない。
新しいデータを継続的に取得する必要があるのか。単に接種済みか、未接種かが分かるデータがあればよいのか。収集すべきデータの量や規模はどの程度か――。「まだ分からないことが多い」とバレンテ氏は話す。
企業が従業員のCOVID-19ワクチン接種データを収集して保持する際は、そのデータに関するポリシーと利用権限をIT部門が設定するとともに、データをいつ破棄するかなどのライフサイクルを計画する必要がある。「ポリシーを策定し、ワクチン接種データの扱い方、保存期間、利用方法を従業員に伝えて、透明性を確保することが非常に重要だ」とシェイ氏は主張する。
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