「市民も安心のデータ保護」をどう実現するか
古都ヨークが「Microsoft 365」保護にBarracudaのクラウドバックアップを使う“本当の理由”
英ヨーク市はオフィススイート「Microsoft 365」への移行に伴い、市民データを守るためのクラウドバックアップを導入した。何を選び、どのような目的で導入したのか。現場の評価ポイントも含めて紹介する。
英国ヨーク市は、メールなどのコミュニケーションツールやドキュメント作成ツールなどのオフィススイートをオンプレミス(自社運用)ソフトウェアからクラウドサービスの「Microsoft 365」(Office 365)に移行させた。Microsoft 365のデータを保護するために、Barracuda Networksのバックアップのクラウドサービス(クラウドバックアップ)の「Barracuda Cloud-to-Cloud Backup」を採用している。
古都として知られ約21万人の人口を有するヨーク市はBarracuda Cloud-to-Cloud Backupを使い、同市が扱っている市民データをサイバー攻撃による流出や損失から守っている。
「災害」「攻撃」への備えだけじゃない、バックアップの“本当の目的”は?
以前使っていたオンプレミスシステム用のバックアップ製品について、ヨーク市はデータ復旧の速さや遠隔からバックアップを実行できることを評価していた。「Microsoft 365への移行を機に、バックアップの仕組みの刷新が必要」(ヨーク市インフラサービス技術責任者のイアン・タウナー氏)とみて、Barracuda Cloud-to-Cloud Backupの採用を決めたという。
急拡大しているランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃によるシステムダウンに備え、ヨーク市は市民の個人情報を保証してデータ復旧する仕組みの構築を急いでいた。万が一ランサムウェア攻撃を受けたとしても、円滑に市民向けサービスを提供し続けることは、ヨーク市にとって「何よりも重要だ」とタウナー氏は強調。同氏が率いるITチームはセキュリティの強化に「真剣に取り組んでいる」(同氏)という。
ヨーク市はバックアップ製品の選定に当たり、二要素認証(MFA)の機能があること、データの保管場所が英国内であること、ビジネスチャットツール「Teams」やファイル管理・共有ツール「SharePoint」も含めMicrosoft 365の全てのデータをバックアップできることを必須の条件として定めていた。タウナー氏は、Barracuda Cloud-to-Cloud Backupはこれらの条件を満たしていると判断。使い勝手も評価してBarracuda Cloud-to-Cloud Backupの導入に踏み切った。
Barracuda Cloud-to-Cloud Backupは「きめ細かな検索方法で個々のファイルを見つけて簡単に復元できる」とタウナー氏は語る。求職していた職員が復職した場合に、その人のメールボックスを短時間で復元するといったメリットを見込む。
バックアップ製品の一般的な用途は、災害時やサイバー攻撃を受けた際にデータを復旧させることだ。ヨーク市もその例外ではないが、実はBarracuda Cloud-to-Cloud Backupを利用する目的はもう一つある。ありがちな「誤ったファイル削除」に備えるためだ。タウナー氏は「Barracuda Cloud-to-Cloud Backupが本当に役立つのは、職員が間違えて削除してしまったファイルを復元する際だ」と述べる。
シンプルな初期設定を評価、コスト削減に一翼
タウナー氏によると、Barracuda Cloud-to-Cloud Backupを導入してからトラブルは起きず、今までBarracuda Networksに助けを求めることもなかった。初期設定は「非常にシンプルだった」と同氏は語る。
例えば新しい職員のメールボックスを追加すると、Barracuda Cloud-to-Cloud Backupがそのメールボックスを自動的にバックアップ対象に含めるので、ITチームによる操作は必要ない。そのため「コストと時間の削減につながっている」とタウナー氏は評価する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー