医療ITニュースフラッシュ
産婦人科もない、小児科もない村がITで実現した「無料オンライン相談」とは?
牧田総合病院の「ThinkPad」などのLenovo製品導入事例や東京都医師会の「curon typeC」採用など、医療ITに関する主要なニュースを紹介する。
オンライン診療やオンライン医療相談は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のみならず、さまざまな用途で医療機関が採用しつつある。長野県木祖村のオンライン医療相談サービス、東京都医師会のオンライン診療サービスの導入事例など、医療ITに関する主要なニュースを6本紹介する。
牧田総合病院が電子カルテをLenovo製HCIに移行 業務PCは「ThinkPad」に
東京都大田区にある同院は、移転を機に電子カルテシステムのインフラ刷新を決断した。従来のインフラでは、ハードウェアの設置スペースの確保やリプレースにコストと手間がかかっていた他、空調コストや運用管理の工数が増大していた。LenovoのサーバにNutanixの仮想化ソフトウェア「Nutanix Enterprise Cloud」を組み込んだHCI(ハイパーコンバージドインフラ)「ThinkAgile HX5521」に、電子カルテシステムを移行させた。ThinkAgile HX5521は同院と同じ電子カルテシステムでの利用実績があったことが、採用の決め手となった。移行によってサーバ台数が従来の約4分の1になり、設置スペースや空調コストを削減できた。同時に老朽化した約900台の業務用PCを、LenovoのノートPC「ThinkPad E15」へとリプレースした。ThinkPad E15の採用に当たっては、サーバとPCを同じベンダーから調達することで納期を管理しやすくなる点や、サポート窓口を1本化でき、保守作業がシンプルになる点を高く評価した。(発表:レノボ・ジャパン<2021年8月25日>)
小児科も産婦人科もない村が「無料オンライン相談」を開始 その中身とは
長野県木祖村は住民サービスとして、Kids Publicの「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」を提供開始する。小児科オンラインと産婦人科オンラインはチャットや音声通話などを使い、在籍する産婦人科医や助産師、小児科医に相談ができるサービス。同村の対象者は両サービスを無料で利用できる。同村は村内に産婦人科と小児科がなく、住民が近隣の医療機関へ行く場合に30~40分程度かかることや、COVID-19の拡大防止の観点から医療機関への来院をためらう住民がいることが課題となっていた。両サービスを提供することで、こうした課題の解決を狙う。(発表:Kids Public<2021年9月15日>)
東京都医師会がオンライン診療に「curon typeC」を採用 「仮想待合室」を活用
同医師会は多摩地域に在住するCOVID-19の自宅療養者向けのオンライン診療を開始した。この取り組みには、MICINのオンライン診療サービス「curon typeC」を利用する。患者のアプリケーションのインストールが不要なことや、順番待ちシステムを搭載していることなどを評価し、curon typeCを採用した。curon typeCの順番待ちシステムを利用することで仮想待合室を構築し、複数の患者を複数の医師が受け付け順に診察できるようにする。これにより1つの医療機関にオンライン診療を希望する患者が集中することを防ぎ、医師は効率的に診療できるようになる。保健所にとっては、オンライン診療可能な医療機関を探す負荷を軽減できる。(発表:MICIN<2021年9月16日>)
公立昭和病院、待合室の「3密」回避のために患者向けスマホアプリを活用
東京都小平市にある同院は、プラスメディの患者向けスマートフォンアプリケーション「MyHospital」を採用した。MyHospitalは患者の診察や会計にかかる待ち時間の短縮や電子カルテと連動した健康管理機能などを備えており、医療機関は欲しい機能を選択して自院の要件に合わせたアプリケーションを構築できる。同院はクレジットカードを利用した後払い会計機能と、任意の薬局に処方箋をFAX(ファクシミリ)で送信する機能を利用する。同院によると、患者はMyHospitalを使うことで待ち時間の短縮や「3密」(密集、密接、密閉)の回避、薬局でのスムーズな薬の受け取りといったメリットが得られるという。(発表:プラスメディ<2021年7月16日>)
兵庫県立大学、HPE製品で新スパコンを構築 選定の理由は?
同校の情報科学研究科・健康医療科学コースは、計算科学やデータサイエンスに利用する学内のスーパーコンピュータシステムを刷新。サーバ「HPE Apollo 6500 Gen10」「HPE Apollo 2000 Gen10」やストレージの「Cray ClusterStor E1000 Storage Systems」などのHewlett Packard Enterprise(HPE)製品による新スパコンシステムを構築した。HPE製品の採用に当たり、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野における製品ラインアップの豊富さや保守サポート体制を評価。「Docker」や「Singularity」などのコンテナ技術を使い研究に必要なシステムを短期間で構築するという日本ヒューレット・パッカードの提案も、HPE製品の選定を後押しした。新しいスパコンシステムは既に、血栓のできにくい人工心肺のコーティング材料の創生といった分野で使用しているという。(発表:日本ヒューレット・パッカード<2021年9月1日>)
治験業務のペーパーレス化を促進 富士通が治験文書管理SaaSを販売開始
「tsClinical DDworks NX」は電子化した治験文書を管理するための、薬品メーカーと医療機器メーカー向けのSaaS(Software as a Service)。医療機関向け治験管理SaaS「tsClinical DDworks21/Trial Site」と連携させることで、医療機関とメーカーのリアルタイムの治験文書共有を可能にする。医療機関とメーカーの間で「治験文書を共有した」というエビデンスを文書ファイルとして発行することも可能だ。国際共同治験を想定し、利用画面を日本語と英語の両方で切り替える機能も搭載する。従来は治験を実施する医療機関と製薬会社の情報のやりとりは紙と直接訪問が中心で、治験従事者の業務負荷や文書の保管コストの増大につながっていた。tsClinical DDworks NXを利用することで、医療機関や製薬会社は治験業務を効率化し、人件費や書類の外部保管倉庫にかかるコストの削減が可能になるという。初期導入費用は300万円(税別)からで、月額利用料金がかかる。(発表:富士通<2021年7月26日>)
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