4要素で分類 事業存続を左右するビジネスリスク 【前編】
“売れない製品”を生む判断ミスの元凶「人材」リスクとは?
リスクマネジメントをする際にビジネスの基盤となる4つの要素に焦点を当てると、項目の洗い出しや関係性の把握をスムーズにし、影響を軽減する可能性がある。各要素に該当するリスクとは何なのか。
ビジネスを脅かすリスクを特定して評価する際、以下のようにさまざまな分類がある。
- 事業リスク
- オペレーショナルリスク
- 財務リスク
- レピュテーションリスク
- 競合リスク
- 経済リスク
- コンプライアンスリスク
エンタープライズリスク管理(ERM)の一環としてリスクを管理し、軽減しようとする場合、まず企業は事業運営の基盤となる以下4つの要素に焦点を当てて分類することが望ましい。
- 人材
- プロセス
- 技術(後編で紹介)
- 設備(後編で紹介)
企業は個別のリスクが4つの要素の何に当てはまるかを考えた上で、他のリスクにつながる可能性があるかどうかを検討するとよい。本連載はこれらの要素に焦点を当て、企業を取り巻くリスクを考える。
1.「人材」のリスク
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人材は、ビジネスにプラスの影響もマイナスの影響も与え得る要素だ。事実、あらゆるリスクを生み出す可能性がある。例えば市場リスクは、新製品の開発や発売に向けた取り組みで、人の誤った決断から生じる可能性がある。結果として、
- 市場に適していない
- 発売が早過ぎる/遅過ぎる
- 価格が高過ぎる
- 設計が粗い
- 宣伝通りの性能を発揮しない
といった事態を招き、売れない製品を生み出してしまうことになる。競合リスクは、他社の人材がより良い決断を下し、市場で勝利することで高まる可能性がある。
コンプライアンスリスクは、社内の人材が偶然にしろ、意図的にしろ、特定の規定や基準に従わない時に発生する。これは、訴訟や罰金などの法的リスクや、悪評の発生をはじめとするレピュテーションリスクへとつながる恐れがある。
十分な人材がいないと、企業は機能しにくくなり、存続すら難しくなる可能性がある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)は、人材不足が企業にもたらし得るビジネスリスクを浮き彫りにした。テレワークは、パンデミックの中で従業員を失うリスクに対処するための主要な戦略として広まった。
2.「プロセス」のリスク
製造ラインやサプライチェーン、デジタルワークフローなどの重要なビジネスプロセスが適切に遂行できなくなることは、戦略的なリスクになる。特にプロセスの機能不全が戦略的計画に影響を及ぼした場合、事業の下流に幾つものビジネスリスクを生み出す可能性がある。例えばアクシデントが起きて製造能力が低下したり、サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性によって予定より配送が遅れたり といった具合だ。パンデミックが起きた際も、業務を遂行するのに必要な人材や技術がそろわず、深刻な業績低迷や経営破綻に直面した企業があった。
後編は、残る「技術」「設備」のリスクを考察する。
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