CISAアドバイザリーに学ぶセキュリティ強化策【前編】
不正アクセスを招く「設定ミス」5つの悪用手口とは?
世界各国のサイバーセキュリティ機関は、セキュリティ対策の設定ミスがシステムへの不正アクセスを招くと警鐘を鳴らす。設定ミスを悪用した攻撃手法とは、具体的には何なのか。対策は。
攻撃者は標的のシステムに侵入するために、セキュリティに関する設定ミスを足掛かりにする傾向がある――。世界各国のサイバーセキュリティ機関が、こう注意を呼び掛けている。
米国のサイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)はカナダ、ニュージーランド、オランダ、英国のサイバーセキュリティ機関と共に、攻撃の最初の段階で悪用されやすい設定ミスを分析した。CISAは米国土安全保障省(DHS)傘下のセキュリティ専門機関。CISAらの警告を受け、ユーザー企業はシステムを守るため何をすればよいのか。
「信頼関係」に注意 CISAが指摘する設定ミス悪用「5つの手口」
併せて読みたいお薦め記事
米国政府機関の動きから読むサイバー脅威
CISAは2022年5月17日(米国時間)、企業に対するセキュリティのアドバイザリー(助言集)を公開した。それによると、攻撃者は不正アクセスの“入り口”として、システムのセキュリティ設定のミスといった「サイバー衛生対策」の不備を日常的に悪用している。
アドバイザリーは特に注意が必要な攻撃手法として、下記の5つを挙げている。
- 信頼関係の悪用
- リモートアクセス技術の悪用
- 公開アプリケーションの悪用
- 有効なアカウントの悪用
- フィッシング詐欺
信頼関係の悪用とは、攻撃者が標的のシステムに不正アクセスするために、まず標的との間に信頼関係がある第三者(人や企業)を攻撃する手法だ。第三者が標的内のシステムへのアクセス権限を持つ場合、攻撃者はその侵害を試みる。
リモートアクセス技術の悪用に関してはVPN(仮想プライベートネットワーク)や、「Windows」PCへのリモートアクセスを可能にする「Remote Desktop Protocol」(RDP:リモートデスクトッププロトコル)を狙った攻撃が活発だとCISAは説明する。背景には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるテレワークの普及がある。
アドバイザリーによると、クラウドサービスの設定ミスも悪用されやすい。クラウドサービスのセキュリティ対策はオンプレミスのシステムと違い、ユーザー企業が自社で管理できない部分があるからだとCISAは指摘する。CISAによれば、攻撃者がクラウドサービスの設定ミスを悪用すると、機密情報の流出や仮想通貨の盗難(クリプトジャッキング)といった甚大な被害をユーザー企業にもたらす恐れがある。
CISAは、難読化された悪質なスクリプトの他に、Windowsのコマンド実行ツール「PowerShell」を悪用してエンドポイントに入り込もうとする攻撃に警戒しなければならないと注意を促す。
後編は、システムの脆弱(ぜいじゃく)性を悪用した攻撃のリスクを考える。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
「IBM iはDXのボトルネック」は誤解 意外と知らない今風モダナイズの効果
-
7
「朝8時にバッチが終わらない」データ爆発の危機をJPX総研はどう乗り越えたか
-
8
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
AI導入後に発覚する「社内文書を読めない」問題 情シスは何を直せばいい?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー