AmazonのiRobot買収は喜劇か悲劇か【第2回】
AmazonのiRobot買収で「Alexa端末」がさらに売れる“なるほど”な理由
Amazon.comがiRobotを買収することでAmazon.comの音声アシスタント「Alexa」を搭載した端末がさらに売れる可能性がある、とアナリストは指摘する。その理由は。
Amazon.comは2022年8月、ロボット掃除機「Roomba」の製造元であるiRobotを買収すると発表した。これを受け20団体以上の人権団体とデータプライバシー擁護団体が「エンドユーザーのプライバシーを損ね、市場の構成な競争を脅かす可能性がある」と懸念を表明し、連邦取引委員会(FTC)に異議を申し立てた。
だからAmazonのiRobot買収で「Alexa搭載端末」が売れる
併せて読みたいお薦め記事
連載:AmazonのiRobot買収は喜劇か悲劇か
スマートホーム関連の注目トピック
調査会社Gartnerでアナリストを務めるビル・レイ氏は、「Amazon.comは自社の顧客の多くが音声アシスタント『Alexa』搭載端末を1台以上所有し、それをキッチンに置く人が多いことを既に把握している」と話す。
Amazon.comがiRobotを買収すると、Amazon.comはRoombaが取得したデータから「どの部屋にAlexa搭載端末があるか」というエンドユーザーの住居に関する情報を入手できるようになる可能性がある。例えばエンドユーザーの住居に部屋が5つあるにも関わらず、Alexa搭載端末を3台しか持っていないことが分かれば、残りの部屋で使うためのAlexa搭載端末を買い足すよう宣伝することが可能になる、とレイ氏は説明する。
重要な情報は、エンドユーザーが「特定の部屋にAlexa搭載端末を置いていない理由」だ。「置いていない部屋はどの部屋で、間取りや家具の配置がどうなっているのかが分かれば、Amazon.comはその部屋に合うAlexa搭載端末を売り込める」(レイ氏)
複数の団体が連名でFTCに宛てた書簡では、Amazon.comが持つ広範なデータ収集能力がiRobotを買収することでさらに力を増すことに懸念を示していた。書簡に名を連ねるのは、人権・データプライバシー擁護団体のFight for the Futureや、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)、ジョージタウン大学(Georgetown University)のプライバシー&テクノロジーセンターなどだ。
書簡の主張はこうだ。Amazon.comが“侵入的”なスマートホームシステムにiRobot製品を連携させれば、エンドユーザーの住居に関するさらに多くのデータを収集することになる。そこにエンドユーザーの習慣や健康に関するプライベート情報も含まれるようになると、人権と安全が脅かされる可能性がある。
第3回は、Amazon.comのiRobot買収によって公正な競争が脅かされる可能性について考察する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー