VPNと代替技術の行方【第4回】
「VPN」は生き残らない? 「ZTNA」「SDP」とは何が違うのか
VPNの遅延やセキュリティの問題は、テレワークが拡大したことで表面化した。代替の技術が登場する中で、VPNはその役割を終えるのか。
企業のテレワークが急拡大したことで、リモートアクセス技術の主役だった「VPN」(仮想プライベートネットワーク)に、遅延をはじめとしたパフォーマンスや、セキュリティなどの問題が浮上した。VPNは、似た働きをする「ZTNA」(Zero Trust Network Access)や「SDP」(Software Defined Perimeter)とどう違うのか。VPNは今後どうなるのか。
VPNは生き残らない? ZTNA、SDPとの違いも
併せて読みたいお薦め記事
連載:VPNと代替技術の行方
押さえるべきVPNの基礎知識
ZTNAがVPNの後継になるという見方が大勢だ。VPNと同様、ZTNAは暗号化による“トンネル”を使用することで、エンドユーザーが社内のネットワークに安全に接続できるようにする。VPNとの違いは、ZTNAがネットワーク全体ではなく、特定のアプリケーションへのアクセスを許可できる点にある。ZTNAを使う場合は、エンドユーザーは多要素認証(MFA)などの認証機能を介して身元を証明する必要がある。ZTNAの支持者は、「ZTNAはVPNよりも安全なリモートアクセスを実現する」と主張する。
こうしたセキュリティ強度の問題が浮上しているものの、ZTNAがVPNに完全に取って代わると考える見方は優勢ではない。「リモートアクセスの主要技術として相変わらずVPNを使用しながら、ZTNAのような新技術を併用する方針の企業は珍しくない」。米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)でシニアサイバーセキュリティアナリストを務めるジョン・グラディ氏はそう語る。
ネットワークのパフォーマンス向上を求めてZTNAを採用する企業もある。ZTNAにすることでパフォーマンスが向上するのは、「通信が経由するポイントが減る場合があるためだ」と、ESGのシニアネットワークアナリストを務めるボブ・ラリベルテ氏は説明する。
VPNの場合、エンドユーザーがクラウドサービスに接続するには、データセンターを含めて複数のポイントを経由することが一般的だ。この過程でネットワークのパフォーマンスが低下する可能性があるのだとラリベルテ氏は指摘する。ZTNAはインターネットにある接続ポイントにつなぐことで安全な通信が実現するため、経由するポイントが減ってパフォーマンスが改善する可能性がある。
SDPとは
SDPとは、ソフトウェアで定義したネットワーク境界によって、社内のシステムを保護する手法だ。これにより、ネットワーク外部の認証されていないエンドユーザーは、システムにアクセスできなくなる。ZTNAと同様、SDPもユーザーIDやデバイスに基づいてエンドユーザーを認証し、セキュリティを確保する。防御の手法を追加して安全性を高めるために、SDPとZTNAを組み合わせて利用するのが一般的だ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー