CIOに聞く「成長に向けたIT戦略」【第5回】
F1チームCIOが「AI技術を使って良かった」と満足する訳
F1出場チームのAston Martin F1は、ITを駆使する方針の一環で、ネットワーク運用におけるAI技術の活用を始めた。AI技術の活用によってどのような変化があったのか。CIOに聞いた。
自動車レースのフォーミュラ1(F1)世界選手権に出場するチームAston Martin Aramco Cognizant Formula One Team(以下、Aston Martin F1)は、人工知能(AI)技術の活用に着手している。データ分析とAI技術の取り組みを紹介した第4回に続き、本稿はネットワーク運用において同チームがAI技術をどのように活用しているのかを紹介する。
AI技術でインフラ運用は一変 CIOが満足する理由
併せて読みたいお薦め記事
連載:CIOに聞く「成長に向けたIT戦略」
- 第1回:女性CIOが指摘する「大企業」と「F1チーム」の決定的な違い
- 第2回:F1チーム女性CIOはなぜ現場を好み、ITチームの重責を語るのか
- 第3回:女性CIOが肌で感じた「とにかく時間にこだわる」F1業界のすごさ
- 第4回:400TBのデータをどう活用するか “コスト厳守”のF1チームCIOが続ける自問自答
AIの利用で単純作業を減らす
Aston Martin F1は、ネットワークベンダーJuniper Networksが提供する通信最適化ツール「Juniper Mist AI」(以下、Mist AI)を使用している。Mist AIは、機械学習とデータサイエンスを組み合わせ、ネットワーク利用を最適化する。
同チームでCIO(最高情報責任者)を務めるクレア・ランズリー氏によると、自動的にサービスを復旧させるMist AIの自己修復機能が特に重要だという。通信状態が優れない無線LANアクセスポイントがあると、Mist AIは修復を試みる。Mist AIによる自力での修復ができない場合には、ITチームにアラートを送る。故障した無線LANアクセスポイントをITチームが交換すると、Mist AIがそれまでのネットワーク構成を新しい無線LANアクセスポイントに自動で反映する仕組みだ。
ランズリー氏は「AI技術を駆使することでインフラ運用の在り方が変わる」と言う。Mist AIに運用の一部を任せることで、ITチームの人材が運用トラブルの対処に忙殺されることがなくなる。「ITチームのメンバーは画期的な変化をもたらすための取り組みに集中できるようになった」と同氏は指摘する。
「F1の世界では、信頼性と性能に関して厳しい水準が要求される」とランズリー氏は語る。IT製品やサービスの導入に関しても、速やかに成果を出す必要がある。Mist AIの機能は、ランズリー氏とITチームが望むイノベーションと洞察を提供しているという。
Mist AIは1つのダッシュボードでネットワーク全体を管理できる。自己修復機能があるため、トラブル対処を遠隔で実施することも可能になる。
第6回は、Aston Martin F1のCIOが考える今後の最優先事項を紹介する。
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