いずれ訪れるメモリとストレージの変化【後編】
次世代技術「CXL」がメモリだけじゃなくストレージさえも変える日
ストレージ分野に相互接続プロトコル「CXL」の影響が本格的に波及してくる前に、企業のIT管理者は、今後何が必要になるのかを考えておいた方がよい。CXLによる影響とは。
相互接続プロトコル「Compute Express Link」(CXL)は、メモリのリソース使用の最適化に重点を置いた技術だ。だがいったんCXLの採用が本格化すれば、その影響はストレージにも及ぶ。IT管理者は、CXLが主流になる時を見据えて、ストレージにどのような検討が必要になるのかを考えておいた方がよい。
「CXLがストレージさえも変える日」を見据える
併せて読みたいお薦め記事
連載:いずれ訪れるメモリとストレージの変化
メモリとストレージにまつわる話題
CXLによって、システムごとのメモリを確保する「メモリプール」の機能が応用可能になる。特に主要な用途になり得るのは、メモリを大量に使用するシステムに対して、より多くのメモリリソースを割り当てることだ。CXLでメモリプールを構成する場合、物理メモリに存在しないメモリ領域の参照があったときに発生する割り込み処理「ページフォールト」は起きない。これによって、タスクの実行中に入出力の処理を減らせる利点が見込める。ただしタスクが終了し、そのメモリ領域が別のタスクに再割り当てされたときに素早くデータを取り出すには、ストレージに大きな負担が掛かる可能性がある。
コストを上げず、処理速度といったシステムの動作性能を向上させることに、CXLは重点を置いている。メモリだけではなく、システムの他の部分も改善しなければ、システムの動作性能を向上させる上でのボトルネックが生まれてしまう。例えばCXLを利用可能なストレージを使用することが重要になる。メモリ側の処理が高速化すれば、ストレージにも相応の高速性が求められるようになるのは自然だ。
業界団体CXL Consortiumは、新世代となる「CXL 3.0」の仕様を2022年8月に公開した。仕様が公開されたからといって、すぐに各種ハードウェアがCXL 3.0に準拠するようになるわけではない。各種ハードウェアがCXL 3.0に準拠し始めたら、今度はシステム側の設計変更が必要になり、それにも時間が必要だ。CXL 3.0が主流になるとしても、2022年の発表から何年も掛かる。
採用までに時間が掛かることをプラスに捉えれば、IT管理者には時間的な余裕がある。CXL 3.0の採用が本格化するまでに、十分な時間を確保してCXL 3.0を理解しておこう。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー