2025年のVMwareはどうなる【後編】
「VMwareユーザーの離脱」がさらに進む可能性も? 顧客の本音は
BroadcomはVMware Cloud Foundation(VCF)の次期バージョンで、顧客がプライベートクラウド環境を構築しやすくする機能を複数追加すると発表している。だが、顧客の全てがこうした考え方に共感しているわけではない。
Broadcomは2024年8月に開催したイベント「VMware Explore」で、プライベートクラウド構築用製品群「VMware Cloud Foundation」(VCF)の次期バージョン「VMware Cloud Foundation 9」(VCF 9)を発表した。BroadcomはVCF 9に、顧客がプライベートクラウドを利用しやすくするための複数の新機能の追加を計画している。
だが、調査会社NAND Researchの創設者兼プリンシパルアナリスト、スティーブ・マクドウェル氏は、2025年にはさらに多くのユーザー企業がVMware製品から離脱すると見込んでいる。ユーザー企業の本音はどのようなものなのか。
プライベートクラウドに顧客は魅力を感じているのか?
併せて読みたいお薦め記事
連載:2025年のVMwareはどうなる
併せて読みたいお薦め記事
VMware対応を悩む顧客の本音
BroadcomはVMware買収後のライセンス体系の見直しなどの変更に伴う顧客の減少を予測しており、その対策として大手企業などの重要顧客に対する製品開発とマーケティングに注力してきた。
「Broadcomは2024年後半に低価格バンドルの再構成と機能拡張を実施したが、新規顧客の獲得は困難だろう。Broadcomは以前のビジネスに戻るつもりはなく、2024年後半に方向を修正したが、基本的な戦略は変わっていない」とマクドウェル氏は分析する。
ミネソタ州の州立大学群Minnesota State Colleges and Universitiesのエンタープライズシステムエンジニアであり、VMwareユーザーグループVMUG(VMware User Group)のバイスプレジデントであるマット・ヘルドスタッブ氏は、「VMware Exploreや地域会議での議論では、VMwareの将来についてVMUGメンバー間で意見が割れている」と明かす。「ユーザー企業の多くは、Broadcomが提唱するプライベートクラウドや、ソフトウェア定義データセンター(SDDC)の利用を望んでいるわけではない」と同氏は語る。
VCF 9の動向を見守っているユーザー企業もある。VCF 9に組み込まれている技術を採用すれば、VMwareの掲げるプライベートクラウドやSDDCを実現できる可能性がある。「それまでは、単にライセンスキーが必要だからVCFを購入するだけだ」(ヘルドスタッブ氏)
「BroadcomはVMUGと協力して、既存メンバー向けに個人利用版のVCFを提供している。2025年4月に予定しているイベント『VMUG Connect』にも積極的に参加する意向だ」とヘルドスタッブ氏は語る。これらの取り組みはVMware製品のユーザー企業をサポートするためのBroadcomによる前向きな変化の一環だ。
だが、個人利用版のVCFが提供されるとしても、教育機関のような小規模ライセンス保有者は取り残される可能性がある。「VCFに良心的な学生割引があるが、恩恵を受けられない小規模なショップもあり、必要に応じて離脱の決定を下さなければならない」(ヘルドスタッブ氏)
マクドウェル氏は以下のように締めくくる。「2024年以降、Broadcomとユーザー企業との関係は変わってしまった」。
「レガシーアプリケーションはVMware製品をベースにしたインフラに存在し続けるだろう。BroadcomはVCFの料金を、多くのユーザー企業にとっての移行コストより少し安く設定している。だが、新規顧客を引き付けるほどの魅力にはなっていない」(マクドウェル氏)
TechTarget発 先取りITトレンド
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[富士ソフト株式会社] 受注業務は既に変革のステージ 出遅れて競争力を失わないためのDX戦略 -
市場調査・トレンド
[富士ソフト株式会社] 受注業務でありがち 「今は困っていない」と見直しを先送りにすることの弊害 -
製品資料
[富士ソフト株式会社] 「B2B EC」選定を製品比較から始めると迷走する理由 -
技術文書・技術解説
[SB C&S株式会社] 「Everpure FlashArray」技術詳細解説資料:概要から認証、サイジングまで解説 -
市場調査・トレンド
[セコムトラストシステムズ株式会社] EDR導入を成功に導くロードマップ:選定/稟議/運用のつまずきを防ぐコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
2
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
3
IT業界の女性は9割が10年で消える 人材枯渇を招く“見えない壁”の正体
-
4
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
5
生成AIのルール整備が進む一方で活用は遅れがち? 日本企業のAI利用状況
-
6
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
7
ChatGPTの「GPT」とは? 仕組みや用途など“ChatGPTの基本”を解説
-
8
積水化学工業が「SAP S/4HANA Cloud」の“全グループ導入”に踏み切った訳
-
9
使いやすさにこだわった電子カルテ「SimCLINIC T3」
-
10
どこでも通用するはずの情シス管理職が“詰む瞬間” 前もってしておくことは?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
7
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
8
サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー