クラウド移行の成功事例5選【後編】
クラウドしか使わない「クラウド100%企業」が得た“納得のメリット”とは
インフラを全てクラウドサービスに移行する企業は多くないが、それを実行している企業はある。クラウドサービスを優先的に採用するクラウドファーストを採用し、全てをクラウドサービスに移行するメリットとは。
クラウドサービスが普及する中で、クラウドサービスへの投資を優先する「クラウドファースト」を戦略として採用する企業は珍しくない。一部の企業はオンプレミスインフラから完全にクラウドサービスへの移行を決断している。これらの企業はどのような成果を得たのか。実際の事例を見ていこう。
「クラウド100%」で得られるメリットとは
併せて読みたいお薦め記事
連載:クラウド移行の成功事例5選
クラウド移行の正解
Microsoft Azureを活用するUnilever
大手消費財メーカーUnileverは、コンサルティング企業AccentureとMicrosoftおよび両社の合弁会社Avanadeと協力して、自社のITインフラを「Microsoft Azure」に移行した。この移行により、同社は全てのITインフラをクラウドサービスで運用することになった。
Unileverによると、Microsoft Azureへの移行によって以下のメリットが期待できるとしている。
- 製品リリースの迅速化
- カスタマーサービスの向上
- 既存業務の効率化
同社によると、ITインフラを全てクラウド移行することで、ITインフラの制御性とセキュリティが向上した。OpenAIが開発したAIモデルをMicrosoft Azureで運用する「Azure OpenAI Service」をあらゆる業務に適用できるようにもなったという。
AWSへの移行に8年を要したCapital Oneのモダナイゼーション
金融機関Capital Oneはクラウドサービスへの投資を優先するクラウドファースト戦略を採用して、同社の8つのデータセンターと約2000個のアプリケーションをAmazon Web Services(AWS)の同名クラウドサービス群に移行した。この移行は容易ではなく、移行には8年間と1万1000人以上の関係者が参加した。
AWSによると、Capital Oneはクラウド移行によって以下のメリットを得た。
- 災害対策時間を70%削減
- 開発環境の平均構築時間が3カ月から数分へと短縮
- 在宅勤務でも生産性を維持
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ののパンデミック(世界的大流行)でも従業員は顧客にリモートでサポートを提供
Capital Oneはクラウド移行に伴い、仮想サーバ「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)など30種類のAWSサービスを採用した。自社のあらゆるアプリケーションをAWSサービスで運用するためには、リファクタリング(挙動を変えずにプログラムの内部構造を変更すること)が重要だった。
Capital Oneではクラウドアーキテクチャに基づくプロビジョニング(配備)、運用、開発ができる人材を育成または雇用する必要もあった。同社は新しいクラウドアプローチについて開発者を教育するために資金を投じた。単にITインフラをクラウド移行するだけでなく、組織全体を見直すことで、自社の変革を実現した。
採用活動をGoogleの「Google Cloud」に移行したJohnson & Johnson
医薬品大手Johnson & Johnsonは、求人応募者への募集を改善するためにクラウドサービスを利用した。同社では、年間約2万5000人分の求職に100万人以上の応募がある。そうした中で、応募者が適切な求人に応募してくれないケースがあることが課題となっていた。
同社は人事(HR)サービスベンダーiCIMSの協力を得て、自社の人材獲得と採用のプロセスに「Google Cloud」の求人サイトとGoogleのAI機能を連携するサービス「Cloud Talent Solution」を利用した。
Johnson & JohnsonはGoogleの検索機能と機械学習を利用して求職者の職種やスキル、使用している業界用語を分析。求職者の好みと関連する求人情報をマッチングさせることに成功した。同社によれば、重要なポジションへの求人において、適性のある応募者は41%増加した。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー